「AIOps」が必要な理由 運用管理をAIで楽に「AIOps」とは何か【第1回】

「ITOps」や「DevOps」にAI技術を取り入れる「AIOps」とは、具体的にどのようなものなのか。IT部門にどのようなメリットをもたらすのか。

2020年09月03日 08時30分 公開
[Ronald SchmelzerTechTarget]

関連キーワード

DevOps | 機械学習 | 運用管理


 「AIOps」とは、ITシステムの全般的な監視・運用を担う「ITOps」や、運用チームと開発チームが協調して開発を進める「DevOps」にAI(人工知能)技術を取り入れることを指す。それによってシステムの運用や管理、開発の大幅な改善を目指す。

AIで多忙なIT部門を楽にする「AIOps」

会員登録(無料)が必要です

 既にさまざまなAIOpsツールが登場している。運用チームの運用管理業務を支援するAIOpsツールばかりでなく、開発チームの開発プロセスを支援するAIOpsツールもある。

 DevOpsツールは、システムの運用と開発のプロセスを組み合わせ、イテレーション(反復)の高速化、コード品質の向上、コードテストの一貫性強化を支援する。先進的な企業は、IT部門の運用管理を効率化するITOpsツール、開発チームの運用チームを効率化するDevOpsツールを導入するようになった。ITOpsツールとDevOpsツールの両方にAI技術を活用し、さらに進化させたツールがAIOpsツールだ。

 IT部門はさまざまな種類のツールや技術を利用する。ITOpsツールはシステムの円滑な運用の他、継続的な変更の計画、外部と内部のセキュリティ上の脅威への対策、必要に応じたシステムのアップグレードなどを担う。IT部門にとって、不要なシステム停止を発生させずにこれらを実施することは大きな課題になっている。

 日常的に大量の業務をこなさなければならないことも、IT部門が抱える課題だ。IT部門の担当者や管理者は、切迫する仕事に忙殺されると、短期的な問題への対処を優先し、予防的な対策にまで手を回しにくくなる。その結果、問題を解消するシステムの事前計画やアップグレードが不十分になってしまう。

 こうした状況への対策として、さまざまなAIOpsツールが登場し始めている。AIOpsツールは、機械学習をはじめとするAI技術を利用してITOpsの自動化や強化を支援する。例えば機械学習を活用したAIOpsツールは、エンドユーザーのITサポート窓口となるチャットbotや高度なアナリティクスなどを実現し、IT部門の負担を軽減する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 Okta Japan株式会社

製造業のセキュリティを支える、アイデンティティー管理の重要性

製造業では、サプライチェーン構造の複雑化に伴い、セキュリティ対策の統制が困難となっている。中でも適切に管理されていないアイデンティティーは深刻な脅威となっており、その対策として「アイデンティティー管理」が注目されている。

製品資料 フォーティネットジャパン合同会社

クラウド/オンプレのハイブリッド環境を統合的に可視化する最適な方法とは?

クラウド移行する企業が増え、この流れは加速することが想定されるが、一方でオンプレミスは現在も活用されている。このハイブリッド環境ではデータが分散するため、セキュリティの観点から統合的に可視化することが求められる。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

「Windows」のISOファイルを入手できる“意外な経路”

Microsoftは、OS「Windows」のISOファイルを公式の専用Webページで提供している。これに加えて、ユーザーが正規の手段でISOファイルを入手する方法は幾つかある。

製品資料 サイオステクノロジー株式会社

障害発生時のダウンタイムを最小限に抑え、システムの可用性を高める方法とは?

基幹系システムの停止は、企業に経済面や信用面で多大な損害を与える。そのためシステム障害時のリスクを可能な限り低減させるための対策が必要になっている。そこで本資料では、有効なシステム障害対策として、HAクラスタを紹介する。

製品レビュー ServiceNow Japan合同会社

カスタマーエクスペリエンスの向上に期待、サイロ化を解消する統合基盤の実力

カスタマーサービスのサイロ化、問題解決の長時間化などの課題が顕在化している今、CXを変革する方法として、生成AIと自動化が注目されている。これらを活用することで、顧客満足度や問題解決時間はどう変わるのか、3つの実例から探る。

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...