竜巻の多い地域に位置するアラバマ農工大学(AAMU:Alabama Agricultural and Mechanical University)は、ディザスタリカバリー(DR)対策の一環としてデータセンターを刷新した。このデータセンターは、アラバマ州内の複数の「HBCU」(歴史的黒人大学:アフリカ系アメリカ人のために設立された高等教育機関)が共用できるデータセンターとして稼働している。「スケーラビリティと一括管理を実現するだけでなく、他の大学も利用可能なDRサービスを用意したかった」と、AAMUの最高情報責任者(CIO)であるダミアン・クラーク氏は説明する。
AMMUは、NutanixのHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)を導入してデータセンターを刷新した。HCIの採用を決定する前に、クラーク氏は全面的なクラウドサービスへの移行も検討していた。「最初は完全なクラウドサービスへの移行以外に、解決策はないと思っていた」と同氏は語る。
調べてみると、クラウドサービスにデータを置く操作に対する費用対効果は高いものの、クラウドサービスからデータを取り出す操作に対する費用対効果は低いことが分かった。「それでは今の予算に合わなかった」(クラーク氏)
AAMUはHCIを採用することで、データセンターの消費電力とデータセンターに関わるベンダーを大幅に減らすことができた。それまではDell EMCのストレージアレイとCisco Systemsのサーバを使っており、データセンターは改善後よりかなり大規模だったという。
「データセンターでは、あまりにも多数のベンダーの製品・サービスを利用していた」とクラーク氏は振り返る。問題が発生してベンダーに電話すると、そのベンダーは「別のベンダーのせいだ」と言い、電話しているうちにシステムがダウンする。そこでまた電話して、ダウンしている理由を学長に説明しなければならない――といった具合だったという。
クラーク氏が率いるITチームは2020年6月現在、15人のスタッフで7000人以上のエンドユーザーにサービスを提供している。チームはインフラの稼働状況をあまり気に掛けずに済むようになり、業務効率が高まったという。「以前よりも今後の戦略について話す機会が増えた。スタッフにはトラブル対処に忙殺されずに、先のことを考えてほしい」と同氏は語る。
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