「オペレーショナルレジリエンス」を向上させる24個の“やることリスト”企業の「オペレーショナルレジリエンス」を高める方法【後編】

ビジネス活動の回復力「オペレーショナルレジリエンス」を高める取り組みを実施する企業がある。これから始める企業が参考にすべきトレーニングプログラムの施策リストを紹介する。

2021年12月13日 05時00分 公開
[Paul KirvanTechTarget]

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 前編「『オペレーショナルレジリエンス』向上の肝は “回復力”を高める秘策」は、日頃のビジネス活動の回復力「オペレーショナルレジリエンス」の概要と、その向上に当たっての意識改革について解説した。後編は、オペレーショナルレジリエンスに関するトレーニングプログラムを実際に進めるに当たっての流れを紹介する。

「オペレーショナルレジリエンス」向上の流れ 24個の“やることリスト”

 オペレーショナルレジリエンスを社内に浸透させるための従業員トレーニングは、焦点を絞り、適切に編成して、定期的に実施することが望ましい。トレーニングプログラムの担当部署がその開発を成功させるための取り組みの流れを以下に示す。トレーニングプログラムの詳細は企業規模や業界によって異なる可能性があるが、取り組みの概要は変わらない。

  1. オペレーショナルレジリエンスに関するトレーニングの必要性を分析する
  2. トレーニングポリシーを準備し、それを経営陣と人事部門に提出し、承認を得る
  3. オペレーショナルレジリエンス対策チームを結成する部門に、トレーニングプログラムが与える影響を分析する
  4. 全ての従業員に提供できるトレーニング活動を考案する
  5. 従業員の専門分野と知識を評価する
  6. トレーニングプログラムが目標とする成果を定義する
  7. 継続的なトレーニングプログラムを確立する
  8. 教室型、テスト実施型、ガイド資料の提供など、さまざまな種類のトレーニングプログラムを立案し、提供する
  9. 従業員、顧客、ベンダーなどの関係者にトレーニングプログラムを周知する
  10. 重点領域に関する指標を設定して取り組みを評価することで、トレーニングプログラムの改善につなげる
  11. 社内外のトレーナーを選定し、必要に応じてトレーナー研修プログラムを手配する
  12. 従業員のトレーニング活動の記録を管理する
  13. オペレーショナルレジリエンスチームと従業員の専門知識レベルを明らかにし、そのレベルを向上させ、維持する方法を確立する
  14. フェイルオーバー(待機系システムへの自動切り替え)やフェイルバック(待機系から元の構成に切り替えること)など、ITシステムの災害復旧活動に関するトレーニングを立案、実施する
  15. インシデントなど危機発生時の活動に関するトレーニングを立案、実施する
  16. サードパーティーのレジリエンスサービスの利用など、特殊な復旧活動に関するトレーニングを立案、実施する
  17. 全事業部門が正常に復旧できるようにする部門横断型の活動に関するトレーニングを立案、実施する
  18. 災害後に平常に戻る取り組みに関するトレーニングを立案、実施する
  19. ITシステムと運用プロセスの復旧に関するトレーニングを立案、実施する
  20. 自社のオペレーショナルレジリエンスのトレーニングプログラムを、業界内の他企業のものと比較して評価する
  21. 災害危機への対処に関する従業員の知識や経験を定期的に調査し、危機に対処する準備ができているかどうかを確認する
  22. 実際に起きた災害から学んだ教訓を生かす
  23. トレーニング活動を従業員の年次人事評価と報酬に結び付ける
  24. 全てのトレーニング活動について、毎月の最新情報を含めて経営陣に要点を伝える

 オペレーショナルレジリエンスのトレーニングプログラムを実施する部門は、上記の施策リストを基にしてトレーニングプログラムのフローを確立するとよい。

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