英国ではテレワークの普及を受け、PCではなく、スマートフォンを使って仕事をする動きが広がっている。「5G」準拠のスマートフォンの充実は、この動きを加速させる可能性があるという。何が起きているのか。
英国でスマートフォンを仕事に利用する動きが活発になっている。消費者向けサービスの価格比較サイトを運営するUswitchがOpiniumに依頼した調査によると、英国ではオンライン会議に参加したりドキュメントを作成したりするなど、スマートフォンで仕事をする平均時間は週12時間だ。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)によってテレワークが普及する中、高速通信ができるスマートフォンが仕事用ツールの“主役”になりつつある。
Opiniumは2021年11月5日〜9日、英国成人2000人を対象に調査を実施した。それによると、回答者がスマートフォンを仕事に利用する用途はビデオ通話が24%、オンライン会議が17%、スプレッドシートの編集が14%。メールの閲覧や送信にスマートフォンを使用している回答者は50%だった。
回答者の70%が、ビジネスチャットツール「Slack」やWeb会議ツール「Zoom」といった、仕事関連のアプリケーションを1つ以上スマートフォンにインストールしていることも分かった。仕事に多く利用されるスマートフォンをベンダー別で見ると、Appleの「iPhone」が1日156分、Samsung Electronics製スマートフォンが1日132分だった。年齢別では、18〜34歳が1日102分、55歳以上が1日30分スマートフォンを仕事に利用しているという。
同調査によると、英国で5G(第5世代移動通信システム)準拠のスマートフォンを所有している人は1500万人以上だ。そのうち800万人以上はパンデミックが始まってから5Gスマートフォンを購入したという。
Uswitchでモバイルコミュニケーションを専門とするルー・ビカー氏は「スマートフォンの使用方法はパンデミックの2年間で大きく変わった」と分析する。パンデミック前、スマートフォンは主に家族や友人とのコミュニケーションに利用されていた。現在は高速通信ができる5G準拠の機種をけん引役に、仕事にも欠かせないツールになったとビカー氏は述べる。
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