クラウドを安く使う「ベンダー交渉」に失敗しない“最低限やるべきことリスト”クラウドベンダーとの「SLA」「料金」交渉のこつ【中編】

クラウドサービスの導入が成功するかどうかは、クラウドサービスの契約内容にかかっている。自社の要件に適した契約を結ぶには、どのようにベンダーと交渉すればよいのか。

2021年12月15日 08時15分 公開
[Tom NolleTechTarget]

 クラウドサービスの導入で期待した成果を得ながら料金を抑えるには、クラウドベンダーとの交渉が有効だ。前編「クラウドを安く使う『ベンダー交渉』に失敗しない“交渉前準備”のヒント」に続く本稿は、ユーザー企業がクラウドベンダーとの交渉を進める際のポイントを説明する。

クラウドベンダーとの料金交渉で最低限やるべきこと

 クラウドベンダーとやりとりする際は、以下の事項を盛り込む必要がある。

  • 目的とデータフロー図に基づき必要なサービスを伝える
  • ニーズに合わせたサービスの提案をしてもらう
  • 想定するコスト感を提示する
  • 料金の内訳をクラウドベンダーから全て提示してもらい、契約時に必要な個々の単価を明確にする

 自社のクラウドサービスの利用目的とデータフロー図を、クラウドベンダーからの回答と照らし合わせる。IT担当者が着目すべき箇所は、データの転送に関連するコストだ。具体的には、クラウドサービスにデータを出入りさせるのにかかる料金を指す。想定外のコスト超過を避けるために、料金を削減したり、料金の上限を設定したりする方法があるかどうかを尋ねるとよい。

 この時点で、クラウドベンダーにオプションサービスを提案してもらうことも可能だ。オプションサービスを利用することで追加コストがかかる場合があるが、自社の運用・保守コストを削減できる可能性もある。

 クラウドベンダーには、さらに料金を削減できる計画を提案してもらうのが望ましい。ここで得られた提案の中から最適なものを選び、交渉の準備を進める。交渉の内容をクラウドベンダーに確実に遂行してもらうために、クラウドベンダーの担当者の中で、合意内容の変更といった便宜を図ることができる意志決定者が誰かを尋ねておくことも必要だ。

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