取引先企業との共同作業をスムーズにするために、社内利用中のコミュニケーションツールを社外メンバーに開放する場合、何をすればよいのか。ゲストアカウント発行や認証連携など、具体的な手段を探る。
コミュニケーションツールを使った従業員同士の共同作業戦略は重要だが、取引先企業とのコミュニケーションや共同作業についても同じ戦略を当てはめることはできない。今日の企業は、ITベンダーやサービス事業者、コンサルタントなど、社外のさまざまなステークホルダーの支援を頼りにしているため、業務の推進に企業間の共同作業は不可欠だ。本稿は、一般的なコミュニケーションツールを使って、企業間の共同作業を実現する方法を探る。
プロジェクトには顧客や取引先の担当者が参加するケースがある。こうしたプロジェクトは、対面会議に加えて、音声会議やWeb会議、メールなどの方法でコミュニケーションを取ることが一般的だった。最近は、ファイル、アプリケーション、グループチャット、議事録の履歴などプロジェクトに関わる全てに、社内外問わず関係者全員がアクセスできる単一の“仮想ハブ”が求められている。
コミュニケーションツールは、従業員同士のスムーズなやりとりにおいて重要な役割を果たしている。そのため社内コミュニケーションで使っているツールを開放し、取引先の担当者も利用できるようにすることは理にかなっている。プロジェクトに関係するやりとりやデータ、アプリケーションを全ての関係者が確認できる形で可視化することで、チームにおけるコミュニケーションや役割分担を円滑に進められるようになる。
複数の企業がコミュニケーションツールを使って共同作業をする際は、準備段階で次の項目を検討、実施する。
コミュニケーションツールは一般的に、社外の関係者向けにゲストアカウントを発行する機能を持つ。社外ユーザーが少数にとどまる見込みならば、この機能を使うことが望ましい。
ゲストアカウントの数が増えるほど、手作業での管理が難しくなる。ゲストアカウントの監視を怠ると、将来的に放置アカウントとなってセキュリティリスクを招くことになりかねない。
自社と取引先が同じコミュニケーションツールを使っていれば、ゲストアカウントを発行する代わりに、取引先のアカウントに自社ツールへのアクセス権を付与するとよい。この方法は、ゲストアカウント利用よりも細かいアクセス制御ができる点で安全性が高い。
社外ユーザーでは一部の機能が使えないようにしているコミュニケーションツールもある。例えば1対1のチャット、プレゼンス(在席確認)の表示、音声通話、会議参加の機能は利用できるが、企業間のファイル共有は利用できない……といった機能制限だ。そのため利用前に、必要な機能を社外ユーザーが使えるかどうか確認する必要がある。
後編も引き続き、取引先とコミュニケーションツールを使うための認証手段を紹介する。
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