社内のコミュニケーションツールを取引先とも使いたいときに検討すべき「準備」は取引先と一緒にコミュニケーションツールを使う方法【前編】

取引先企業との共同作業をスムーズにするために、社内利用中のコミュニケーションツールを社外メンバーに開放する場合、何をすればよいのか。ゲストアカウント発行や認証連携など、具体的な手段を探る。

2022年04月12日 05時00分 公開
[Andrew FroehlichTechTarget]

 コミュニケーションツールを使った従業員同士の共同作業戦略は重要だが、取引先企業とのコミュニケーションや共同作業についても同じ戦略を当てはめることはできない。今日の企業は、ITベンダーやサービス事業者、コンサルタントなど、社外のさまざまなステークホルダーの支援を頼りにしているため、業務の推進に企業間の共同作業は不可欠だ。本稿は、一般的なコミュニケーションツールを使って、企業間の共同作業を実現する方法を探る。

 プロジェクトには顧客や取引先の担当者が参加するケースがある。こうしたプロジェクトは、対面会議に加えて、音声会議やWeb会議、メールなどの方法でコミュニケーションを取ることが一般的だった。最近は、ファイル、アプリケーション、グループチャット、議事録の履歴などプロジェクトに関わる全てに、社内外問わず関係者全員がアクセスできる単一の“仮想ハブ”が求められている。

 コミュニケーションツールは、従業員同士のスムーズなやりとりにおいて重要な役割を果たしている。そのため社内コミュニケーションで使っているツールを開放し、取引先の担当者も利用できるようにすることは理にかなっている。プロジェクトに関係するやりとりやデータ、アプリケーションを全ての関係者が確認できる形で可視化することで、チームにおけるコミュニケーションや役割分担を円滑に進められるようになる。

 複数の企業がコミュニケーションツールを使って共同作業をする際は、準備段階で次の項目を検討、実施する。

  1. ゲストアカウント発行
  2. クローズドな認証連携
  3. オープン技術による認証連携(後編で紹介)
  4. クロスプラットフォームの連携(後編で紹介)

1.ゲストアカウント発行

 コミュニケーションツールは一般的に、社外の関係者向けにゲストアカウントを発行する機能を持つ。社外ユーザーが少数にとどまる見込みならば、この機能を使うことが望ましい。

 ゲストアカウントの数が増えるほど、手作業での管理が難しくなる。ゲストアカウントの監視を怠ると、将来的に放置アカウントとなってセキュリティリスクを招くことになりかねない。

2.クローズドな認証連携

 自社と取引先が同じコミュニケーションツールを使っていれば、ゲストアカウントを発行する代わりに、取引先のアカウントに自社ツールへのアクセス権を付与するとよい。この方法は、ゲストアカウント利用よりも細かいアクセス制御ができる点で安全性が高い。

 社外ユーザーでは一部の機能が使えないようにしているコミュニケーションツールもある。例えば1対1のチャット、プレゼンス(在席確認)の表示、音声通話、会議参加の機能は利用できるが、企業間のファイル共有は利用できない……といった機能制限だ。そのため利用前に、必要な機能を社外ユーザーが使えるかどうか確認する必要がある。


 後編も引き続き、取引先とコミュニケーションツールを使うための認証手段を紹介する。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

製品資料 株式会社マヒト

名刺発注業務を効率化、柔軟なワークフロー構築が可能な名刺発注システムとは

名刺は日々のビジネスに欠かせないツールの1つだが、その発注に関する承認と管理は意外と手間のかかる作業であり、規模が大きくなるほど負担は増大する。そこで注目したいのが、柔軟なワークフローを構築できる名刺発注サービスだ。

製品レビュー NECネッツエスアイ株式会社

2分の動画で解説:外出先での電話環境を改善、雑音除去もできるクラウドPBXとは

外出時の電話対応では、取り次ぎや折り返しの手間に加え、周囲の雑音やノイズといった課題もつきものだ。これらを解決する手段として期待されるクラウドソリューションを取り上げ、実際の利用方法や活用効果を、動画を通じて紹介する。

製品資料 株式会社ジャストシステム

稟議/申請のデジタル化を推進、ノーコードで実現するワークフロー変革術

あらゆる領域でデジタルシフトが進む今、ワークフローにおいてもシステム化が加速している。その手段として注目されるのが、ITの専門知識がなくてもシステム構築が可能なノーコードツールだ。そのメリットや選定のポイントを解説する。

事例 日本ビジネスシステムズ株式会社

SharePointを活用している? Microsoft 365ユーザーなら押さえたい活用の秘訣

Microsoft 365に搭載されている「SharePoint」は活用できているだろうか。製品名は知っていても、その機能やメリットが分かっていないという声もよく聞かれる。そこで実際の活用事例を基に、活用のポイントを紹介する。

事例 日本ビジネスシステムズ株式会社

直感的な社内ポータルに刷新してアクセスが向上、千歳コーポレーションの事例

創立60周年を機に抜本的な働き方改革推進に乗り出した千歳コーポレーション。その一環として取り組んだ社内ポータルの刷新により、コンテンツへの直感的・迅速なアクセスを実現。情報共有やコミュニケーション活性化につながっている。

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...

news040.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。