下取り&アップグレードを利用して5Gスマートフォンに移行する動きが活発化している。今、どのような機種が下取りに出されているのか。下取りに出すまでの使用年数や下取り価格にも興味深い傾向が現れている。
Assurantが実施した調査によると、下取り&アップグレードプログラムが5Gへの移行において大きな役割を果たしていた。
2021年は、モバイル端末の下取り&アップグレードによって31億ドル(約3757億5100万円)が米国消費者に還元された。これは2020年の21億ドル(約2545億4100万円)、2019年の24億ドル(約2909億円)を上回っている。2021年の下取り市場は好調に推移し、第4四半期には下取り&アップグレードを通じて11億ドル(約1346億1800万円)が米国消費者に還元された。これは第3四半期の7億5000万ドル(約910億円)から40%増、前年比34%増となる。オンラインでの下取りは、2020年第4四半期から2021年第3四半期にかけて220%増、2020年第4四半期比で42%増だった。
還元額の急増において重要な役割を果たしたのが5G端末の需要だ。Global Mobile Suppliers Associationの調査によると、2021年末までに850を超える5G対応モデルが市販されたという。
2021年に下取り&アップグレードで取引された端末のトップ5は「iPhone XR」「iPhone 11」「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」「iPhone X」だった。iPhone XRは4四半期連続で下取り数トップの座を守り、第4四半期の取引数トップ5の33%を占めている。「Android」端末の取引数で2021年トップだったのは「Galaxy S9」だ。
2021年のiPhoneの平均下取り価格は199ドル(約2万4000円)。Androidスマートフォンの平均下取り価格は98ドル(約1万2000円)だった。スマートフォン全体の平均下取り価格は140ドル(約1万7000円)で、2020年の124ドル(約1万5000円)から13%上昇している。
ただし、2021年第4四半期の端末下取り価格は「異常」であり、2021年第3四半期比で10%下落しているとAssurantは指摘する。スマートフォンの平均下取り価格は第3四半期が150ドル(約1万8000円)なのに対し、第4四半期は136ドル(約1万6500円)だった。
第4四半期は特に端末の平均使用年数が下がり、4四半期の中で最も低い。下取り時の平均使用年数は、2021年第3四半期はiPhoneが3.39年、Androidが3.08年。2021年第4四半期はiPhoneが3.36年、Androidが2.96年だった。
Assurantのビジュ・ナイル氏(エクゼクティブバイスプレジデント)は次のようにコメントしている。「スマートフォンの新規リリース、ブラックフライデーやサイバーマンデーなどのセール、休日ショッピングなどにより、第4四半期は昔から下取り&アップグレードに有利な時期だ」
「2021年第4四半期に下取り&アップグレードが急増し、米国消費者に10億ドル(約1212億1000万円)以上還元されるという記録的な年になった。これは本当に驚くべき結果だ。消費者が5Gに移行するには、下取り&アップグレードがいかに重要かを示している」
Assurantのレポート「Mobile Trade-in and Upgrade Industry Trends」(PDF)は同社のサイトで閲覧できる。
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