楽天グループは、全社的に利用するデータウェアハウスにGoogleの「BigQuery」を採用した。同社がデータ分析システムのクラウド移行を決意した課題と、「Google Cloud Platform」を採用した理由は。
楽天グループは2022年4月19日、全社でデータ分析に利用するデータウェアハウス(DWH)「楽天スーパーDB」の稼働環境に「BigQuery」を採用したと発表した。BigQueryはGoogleのクラウドサービス群「Google Cloud Platform」(GCP)におけるDWHサービス。同社はデータの移行作業を既に開始しており、完了は2022年第4四半期(10月〜12月)の見込み。
楽天スーパーDBの構築当初は、オンプレミスインフラでTeradataのDWH製品を運用していた。楽天グループ執行役員Cloud Platform Supervisory Departmentディレクターのロヒット・デワン氏によると、楽天スーパーDBはシステムの遅延が顕著になっており、ハードウェアの老朽化が課題に挙がっていた。そこで新たなDWHとして楽天グループが選択したのがGoogle CloudのBigQueryだった。
デワン氏はBigQueryを採用した理由について、「さまざまなクエリを高速に処理できる」という技術面に加え、「エンジニアの技術トレーニングのしやすさ」や「Googleのサポート体制」などを挙げる。
楽天グループはすでに一部の社内ユーザーの間で新システムの利用を開始している。デワン氏によると、データの処理速度は従来のシステムと比較して約3倍向上しており、TCO(総保有コスト)は想定より10%低く抑えられているという。
楽天グループはGCPで楽天スーパーDBのクラウド化を進める一方で、オンプレミスの楽天スーパーDBの利用も継続する。データ分析基盤にクラウドインフラとオンプレミスインフラを共存させ、社内ユーザーの用途に合わせて最適な方を利用できるようにする狙いがある。ハイブリッドクラウド構成にすることで「システムの可用性向上も期待できる」とデワン氏は語る。
記事公開当初、タイトルとリード、本文で「Big Query」と記載していましたが、正しくは「BigQuery」です。おわびして訂正します。本文は修正済みです。
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