「Tableau CRM」を「CRM Analytics」に改称したSalesforceの狙いTechTarget発 世界のITニュース

Salesforceは「Einstein Analytics」や「Tableau CRM」などの名称で提供してきた分析ツールを改称。それに伴い、Slackとの連携などの新機能を追加する。

2022年06月09日 05時00分 公開
[Don FluckingerTechTarget]

 CRM(顧客関係管理)ツールベンダーのSalesforceは、AI(人工知能)技術を活用した分析ツール「Tableau CRM」の名称を「CRM Analytics」に変更。同社はこの改称に伴い、CRM Analyticsに新機能を追加した。

2022年夏に提供開始 「CRM Analytics」の新機能とは?

 CRM Analyticsは、Salesforceが2017年に「Einstein Analytics」として発表し、2020年後半にTableau CRMに改称していた分析ツール。SalesforceはCRM Analytics以外にも、製品名の変更を相次いで実施している。同社が買収した企業であるTableau SoftwareやDatoramaなどのブランド名ではなく、製品の機能を名称に反映させた。

 2022年6月に、CRM Analyticsの以下の新機能が順次提供を開始する。

  • CRM Analytics for Slack:ビジネスチャットツール「Slack」からSalesforceのレポートやダッシュボードに直接アクセスできる。可視化された分析結果に基づき、共有やディスカッション、意思決定を容易にする。
  • Einstein Discovery Predictions in Slack:Salesforceのレポートから機械学習によって集約された売上予測をSlackに表示し、取引や顧客離脱、請求書遅延のリスク分析を支援する。
  • Search Insights:自然言語クエリを用いた検索により、ダッシュボードやデータセットを見つけやすくする。

 2022年夏にSalesforceが提供を開始する新機能はこれだけではない。同社は、営業支援(SFA)およびCRMツールの「Sales Cloud」とCRM Analyticsを組み合わせ、収益管理ツール「Revenue Intelligence」を提供している。このツールは販売と収益のサイクル全体に関するインサイト(洞察)を提供する。同社は2022年夏に、金融サービス、製造、消費財、通信と、4業種別のRevenue Intelligenceのバージョンを発表する計画だ。

「Net Zero Cloud」の新機能

 SalesforceはCRM Analyticsの分析とダッシュボードを活用し、温室効果ガス排出量を測定するツール「Net Zero Cloud」のバージョン2.0を提供している。同ツールには2022年4月、新機能「Net Zero Analytics」が加わった。この機能はユーザー企業のカーボンフットプリント(製品ライフサイクルを通したCO2=二酸化炭素の排出量)を計算して、その結果をダッシュボードに表示する。Salesforceによるとこの機能は、「ネットゼロ」(実質的CO2排出ゼロ)のための計画立案と、その進捗(しんちょく)を測定するためのデータが必要な企業に最適だという。

ITmedia マーケティング新着記事

news047.jpg

SASのCMOが語る マーケティング部門が社内の生成AI活用のけん引役に適している理由
データとアナリティクスの世界で半世紀近くにわたり知見を培ってきたSAS。同社のCMOに、...

news159.jpg

SALES ROBOTICSが「カスタマーサクセス支援サービス」を提供
SALES ROBOTICSは、カスタマーサクセスを実現する新サービスの提供を開始した。

news139.jpg

「Fortnite」を活用  朝日広告社がメタバース空間制作サービスとマーケティング支援を開始
朝日広告社は、人気ゲーム「Fortnite」に新たなゲームメタバース空間を公開した。また、...