「Oracle Fusion Middleware」の脆弱性をなかなか修正しなかったOracleを、あるセキュリティ専門家が強く批判している。専門家が指摘する「問題点」とは何か。
Oracleのミドルウェア製品群「Oracle Fusion Middleware」の重大な脆弱(ぜいじゃく)性「CVE-2022-21445」と「CVE-2022-21497」。2つの脆弱性を発見した「Peterjson」「Jang」を名乗る2人の人物は、Oracleに早急の修正を求めた。だが修正が完了するまで6カ月かかったとPeterjson氏は主張する。事件のタイムラインを見てみよう。
Peterjson氏によると、脆弱性の修正完了までの時系列は次の通りだ(日時は全て同氏のブログを参照)。米TechTargetの取材によると、同氏はベトナムのITベンダーVNGでセキュリティエンジニアを務める。
報告から約半年が過ぎたタイミングで、ようやくOracleがパッチ(修正プログラム)を公開した形だ。共通脆弱性評価システム(CVSS)ではCVE-2022-21445のスコアは9.8、CVE-2022-21497は8.1と、いずれも最大危険度の10.0に近い危険レベルに位置付けられていた。
Peterjson氏は米TechTargetの取材に対し、ベンダーが報告を受けて脆弱性を修正するまでは「時間がかかる場合がある」と理解を示しつつ、「今回は危険な脆弱性だったことを考えると、Oracleの姿勢に失望した」と述べた。米TechTargetはOracleにコメントを求めたが、回答はなかった。
パッチ公開後、Oracle Fusion Middlewareの主要なユーザー企業がパッチを適用したことを確認するには「さらに約2カ月かかった」とPeterjson氏は言う。主要なユーザー企業には小売りのBest BuyやコーヒーチェーンのStarbucks、金融機関のRegions Bankに加えて、Dell Technologiesなどのベンダーもある。
脆弱性の修正に関してセキュリティ専門家から批判を受けているベンダーは、Oracleだけではない。2022年6月、セキュリティベンダーTenableは、Microsoftのクラウドサービス群「Microsoft Azure」に見つかった脆弱性について、Microsoftの姿勢に問題があったと指摘した。具体的には、脆弱性の修正は迅速だったものの、ユーザー企業への情報提供が不十分であり、「コミュニケーションを軽視していた」とTenableは言う。
Intelは、同社CPU(中央演算処理装置)の脆弱性を悪用した攻撃活動「Hertzbleed」を巡って厳しい視線を受けている。同社は脆弱性の報告を受けつつ、修正に動かず、修正期間の基準とされる90日が過ぎてもパッチを公開しなかった。
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