「稼働率99.999%」のインフラを実現する“5つのステップ”稼働率「99.999%」が意味すること【後編】

企業がクラウドサービスだけではなく、オンプレミスインフラも含めたインフラ全体の稼働率を「99.999%」に近づけるためには、何をすればよいのか。5つのステップを説明する。

2022年07月27日 10時00分 公開
[Chuck MoozakisTechTarget]

 ユーザー企業のシステムインフラが停止すると、システムのエンドユーザーである従業員や顧客、取引先は必要なシステムやデータが利用できなくなり、不利益を被る。ユーザー企業が利用する全てのインフラで稼働率99.999%を実現するには、クラウドサービスだけではなく、オンプレミスインフラのダウンタイム(利用不能になる恐れのある時間)を短縮する必要がある。

「稼働率99.999%」を実現する5つのステップ

 オンプレミスのデータセンターの稼働率を向上させるためには、ユーザー企業は何をすればよいのか。より高い稼働率を実現するには、以下のステップを検討する。

  1. 修理が容易かつ最新のハードウェアを購入する
  2. 負荷分散やフェイルオーバー、冗長性確保のための仕組みを用意する
    • 予備のプロセッサやバッテリーなどを確保したり、長期停電対策のためのディーゼルまたは天然ガス発電機、複数の通信回線などを用意したりする。
  3. ネットワークのパフォーマンス監視と故障の予兆検知を可能な限り自動化する
    • ネットワークの各要素の状態を継続的に追跡するネットワーク分析ソフトウェアに加えて、ネットワーク管理の自動化ツールを使用すると、人的ミスを減らしてネットワークの稼働状態を維持しやすくなる。ネットワーク管理の自動化ツールは人工知能(AI)技術を用いて、ネットワークの問題やセキュリティ侵害が発生したときにメインシステムからバックアップシステムに自動で切り替える。
  4. ソフトウェアに注意する
    • サポート切れのソフトウェアやパッチ未適用のソフトウェアを使用していると、稼働率99.999%の実現は遠のく。欠陥のあるOSが原因で障害が発生したインフラを復旧するのに時間がかかれば、稼働率は低下する。
  5. バックアップ計画と災害復旧計画を検証し、計画が十分であることを確認する

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news112.jpg

「インクルーシブマーケティング」実践のポイントは? ネオマーケティングが支援サービスを提供
ネオマーケティングは、インクルーシブマーケティングの実践に向けたサービスを開始した...

news135.jpg

Xが新規アカウントに課金するとユーザーはどれほど影響を受ける? そしてそれは本当にbot対策になるのか?
Xが新規利用者を対象に、課金制を導入する方針を表明した。botの排除が目的だというが、...

news095.jpg

Googleの次世代AIモデル「Gemini 1.5」を統合 コカ・コーラやロレアルにも信頼される「WPP Open」とは?
世界最大級の広告会社であるWPPはGoogle Cloudと協業を開始した。キャンペーンの最適化、...