クラウドベンダーとSLAを締結する際に注目すべきなのが、クラウドサービスの「稼働率」だ。「99.999%」「99.99%」といった稼働率の数値は、何を表しているのか。
ミッションクリティカルなオンプレミスのアプリケーションをクラウドサービスに移行するときは、移行先のクラウドサービスの「稼働率」が重要になる。クラウドサービスが利用できなくなると、従業員や顧客、取引先企業は必要なデータやシステムにアクセスできなくなってしまう。
クラウドサービスの稼働率とは、一言で言うと
を示す。
稼働率100%の実現は、ユーザー企業にとっても、クラウドベンダーにとっても大きな目標になる。ただし「年間を通じて、クラウドサービスを利用できない時間が全くない」ことを想定するのは非現実的だ。データセンターのメンテナンスや自然災害のなどの制御不能な事象が発生する可能性があるため、クラウドベンダーが稼働率100%を保証することは極めて難しい。
主要なクラウドベンダーは自社のクラウドサービスについて、稼働率99.999%を保証するサービス品質保証契約(SLA)を提供する。こうしたSLAを用意するクラウドサービスの稼働率は、100%に限りなく近い。稼働率99.999%は、クラウドサービスを利用できない時間が1年間で5分15秒以内になることを意味する。
クラウドサービスのSLAが「稼働率99.99%」を保証していれば年間52分34秒以内、「稼働率99.9%」を保証していれば年間8時間46分以内のダウンタイム(利用不能になる恐れのある時間)を許容する必要がある。クラウドサービスを利用できない時間が許容時間を超えると、クラウドベンダーはSLAを締結したユーザー企業に利用料金を返金する必要が生じる。
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