データマネジメントの鍵「CDO」とは何か【後編】
クラウド活用の成否を握る人物「CDO」の“3つの使命”はこれだ
オンプレミスのシステムとクラウドサービスが混在するハイブリッドクラウドのコンプライアンスは、企業にとって悩みの種だ。ここで力を発揮するのが「CDO」(最高データ責任者)だという。CDOに何ができるのか。
企業の間でクラウドサービスの採用が広がるのに合わせて、その存在感をあらためて示し始めた「最高データ責任者」(CDO:Chief Data Officer)。特にオンプレミスのシステムとクラウドサービスが混在するハイブリッドクラウドを運用する場合に、CDOは重要な役割を果たす。CDOには何ができるのか。主要な3つの役割を見ていこう。
1.最適なクラウドベンダー選び
併せて読みたいお薦め記事
連載:データマネジメントの鍵「CDO」とは何か
企業でデータ分析が進んでいる
自社の事業内容を踏まえたコンプライアンス要件を考え、それを満たすクラウドベンダーを選ぶ際に、CDOは大いに貢献できる。例えばクレジットカード情報を扱う企業だと、クレジットカード情報を守るためのセキュリティ基準「PCI DSS」(Payment Card Industry Data Security Standard)の順守が義務付けられている。その企業は、PCI DSSが定めているセキュリティレベルに準拠したクラウドベンダーを選ぶことが重要だ。
最適なクラウドベンダーの選定はあくまで、コンプライアンスの出発点にすぎない。クラウドサービスの場合、インフラに関する責任はクラウドベンダーが負うが、データの保管や処理、アプリケーションに関する責任を負うのは企業になる。
2.クラウドサービスの定期的な評価
CDOは、クラウドサービスの置き換えを定期的に評価する役割を担うことができる。クラウドサービスは進化を続けており、「できること」が変わるため、企業はクラウドサービスの進化に注意を払っておくことが重要だ。自社にとって最適だと判断したクラウドサービスに、迅速に移行するための体制づくりが重要になる。CDOはクラウドサービスの評価に当たり、Cloud Security Alliance(CSA)が提供するガイドライン「Cloud Controls Matrix」(CCM)が参考になる。
3.システムの監視と改善
システムを監視して改善する際にも、CDOが貢献し得る。監視や改善の対象には、オンプレミスのシステムとクラウドサービスの両方が含まれる。企業はクラウドサービスを採用することで、法規制の変化に追随しやすくなる可能性がある。一方でリスク管理に関しては、クラウドベンダーのサービス内容を慎重に確認し、自社の条件を満たしているかどうかを評価する必要がある。
PCI DSSの例で示したように、アプリケーションのコンプライアンスに対する責任は企業にある。そのためCDOは入念な調査、リスク評価、改善計画を定期的に実施しなければならない。
クラウドサービスの進化とともに、経営の観点から重要性を増しているデータは、イノベーション(技術や仕組みの革新)を生み出す「源」になるだけではなく、攻撃の標的にもなる。そうした中、CDOが指揮を執る形でデータマネジメントを強化することは企業にとって不可欠になりつつある。データマネジメントはコンプライアンスにとどまらず、セキュリティの確保においても重要なので、CDOは広い視野を持って取り組まなければならない。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
市場調査・トレンド
[セコムトラストシステムズ株式会社] プロが教える「EDR選定~導入」の極意 -
製品資料
[ゾーホージャパン株式会社] 高まるエンドポイント特権管理の重要性、効果的に行うための8つのステップとは -
製品資料
[ゾーホージャパン株式会社] 特権セッションを効果的に管理し、セキュリティを強固にする方法 -
製品レビュー
[ゾーホージャパン株式会社] サイバー攻撃に狙われる特権アカウント、効果的な監視・管理を実現するには? -
製品資料
[ゾーホージャパン株式会社] “人間ではない”サービスアカウントに潜む、3つのセキュリティリスクとは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
3
AIエージェントで「ERPの魔改造」復活の懸念 せっかくのクリーンコアが崩壊
-
4
生成AIが普及しても「技術書」を手放せないエンジニアの本音
-
5
Googleの業務向けAIエージェント「Gemini Agent」が登場 しかし課題は山積み
-
6
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
-
7
増えすぎたAIエージェントが野良化 幹部の36%がインシデント発生時に隠したいと回答
-
8
「アップグレードできないJava」をどう守る IBMとRed HatがAIで400件超修正
-
9
Microsoft 365導入後も稟議は「Excelをメールで回覧」 承認が止まる理由
-
10
「レガシーシステム・老朽化システムの運用課題と刷新」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
3
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
SASE選定は「見極め力」で大きな差――本当に必要な製品を選ぶための6つの視点
-
8
マンガで学ぶXDR/MDRのメリット、中小企業のセキュリティ強化になぜ有効か?
-
9
脱VMwareに成功した企業は何をどう実践した? 事例に学ぶ戦略立案&実装のコツ
-
10
自社データから高精度な回答を生成、簡単に生成AIチャットボットを構築する方法
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー