「CxO」(Chief x Officer)の一員である最高データ責任者「CDO」が、クラウドサービス活用の成否を握る存在になりつつあるという。そもそもCDOとは何なのか。その仕事内容とは。
企業がクラウドサービスの採用を進める中、データマネジメントを主導する新たなリーダーが求められている。「最高データ責任者」(CDO:Chief Data Officer)がそれだ。CDOはクラウドサービスにデータを保存したり、それらのデータを分析したり活用したりするに当たり、セキュリティやプライバシーの規則を守り、コンプライアンスを徹底することが主な仕事になる。企業はクラウドサービスの利用に本腰を入れれば、CDOの採用が欠かせなくなる。CDOは具体的に何をすればいいのか。
システムをクラウドサービスに完全移行する企業もあるが、クラウドサービスとオンプレミスのシステムを併用するハイブリッドクラウドにする企業も少なくない。CDOの仕事は主に、ハイブリッドクラウドにおけるデータマネジメントを想定している。ハイブリッドクラウドでは、ベンダーが異なる複数のクラウドサービスを利用するのが一般的だ。CDOがカバーする一筋縄ではいかない仕事の範囲を見てみよう。
データの分析や活用に取り組む際、企業はデータファブリックと呼ばれるシステム設計を採用することがある。データファブリックは、データ分析やデータマネジメントの仕組みをインフラに組み込み、1つのシステムとして運用する。企業はデータファブリックの採用によってデータを管理しやすくなる一方、コンプライアンスには、より注意を払わなければならなくなる。データファブリックに適したコンプライアンスの方針を作るのは、CDOの仕事だ。
企業はデータの分析や活用に取り組むために、オンプレミスのシステムをクラウドサービスに移行する場合、移行する前にデータクレンジングをすることが重要だ。データクレンジングとは、破損したデータや不正確なデータを取り除いて「きれいなデータ」だけを残すプロセスを指す。データクレンジングによってデータ量を減らし、システムを軽くするとともに、攻撃の対象になり得るデータを削減できる。クラウドサービス移行前のデータ整理はCDOの腕の見せどころだ。
クラウドベンダーが提供するデータ分析ツールや管理ツールを使うことで、企業はデータの分析や活用がしやすくなる可能性がある。クラウドベンダーの選定に当たり、データ分析ツールや管理ツールも評価して自社に最適なベンダーを選ぶことは、CDOの仕事の一部だ。
後編は、ハイブリッドクラウドにおけるコンプライアンスの注意点を考える。
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