Windows 11が“大人気”の「Windows 10」になかなか勝てないのはなぜ?「Windows 11」の充実する機能と高まらない人気【後編】

Microsoftは「Windows 11」の機能強化に努めている。一方でユーザーのWindows 11に対する見方は冷ややかだ。こうした“温度差”はなぜ生まれるのか。

2022年12月02日 05時00分 公開
[Antone GonsalvesTechTarget]

 Microsoftが2021年10月にクライアントOS「Windows 11」を提供開始した当時、同社製品のユーザーが示した反応は冷淡だった。更新プログラムが提供される限り、できるだけ長く従来の「Windows 10」を利用し続けたいと考えるユーザーは少なくない。同社の計画では、Windows 10の企業向けエディション「Windows 10 Enterprise」と教育機関向けエディション「Windows 10 Education」のサポートは、2025年10月まで継続する。

Windows 11が人気度で「Windows 10」に勝てない理由

 徐々にではあるが、Windows 11ユーザーは増えている。IT資産管理ツールベンダーLansweeperは2022年10月、約6万件の組織における約30万台のデバイスを調査した。その結果によると、「Windows」シリーズを搭載するデバイスのうち、Windows 11搭載デバイスは2.61%で、同年4月調査の1.17%より増えていた。

 Windows 10搭載デバイスは81.87%だった。Windows 10は、他のどのWindowsよりも高い人気を誇る。Windows 11搭載デバイスは「Windows XP」搭載デバイスの1.27%を超えたものの、「Windows 7」搭載デバイスの3.38%には届いていない。

 なかなかWindows 11の普及が進まない主な理由は、システム要件の厳しさだ。Windows 11は最小要件として、以下のマシンスペックを要求する。

  • プロセッサ
    • クロック周波数1GHz、プロセッサコア2コア、64bit
  • メモリ
    • 容量4GB
  • ストレージ
    • 容量64GB
  • システムファームウェア
    • UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)準拠
  • TPM(Trusted Platform Module:セキュリティデバイスの規格)
    • バージョン2.0
  • ビデオカード
    • 映像・音声処理用API(アプリケーションプログラミングインタフェース)群「DirectX」バージョン12、ビデオカード用デバイスドライバ規格「WDDM」(Windows Display Driver Model)バージョン2.0準拠
  • ディスプレイ
    • 対角サイズ9型、色深度8bit、解像度720p(解像度1280×720ピクセルで、画面表示方式が順次走査の映像規格)

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