フードロス対策にモバイルアプリケーションを活用する動きが広がっている。どのようなモバイルアプリケーションがあり、どのような効果を期待できるのか。
さまざまなIT企業がフードロス(食べることのできる食品が廃棄になること)削減を目的に、モバイルアプリケーションをはじめとしたツールを提供している。どのようなツールがあり、小売企業が活用することでどのような効果があるのか。
モバイルアプリケーションベンダーGanderが2019年に提供開始したフードロス対策アプリケーション「Gander」は、小売店舗にある賞味期限切れ間近の割引商品をリストアップする機能を持つ。
北アイルランドを拠点に卸売りやコンビニエンスストアを運営するHenderson Technologyで小売技術運用担当ディレクターを務めるダレン・ニッケルズ氏は、Ganderの採用が販売率(1カ月以内に販売する在庫量と、購入した在庫量の割合)上昇に貢献したと話す。Ganderの導入後、Henderson Technologyグループの小売店舗の販売率は、店舗内における業務をほぼ変更していないにもかかわらず上昇した。
他にもGanderを導入したことで、食品廃棄量の削減や在庫処分にかかる費用削減といったメリットを受けることができたとニッケルズ氏は語る。「経済状況が厳しい時期において、Ganderが提供する仕組みは消費者に評価されやすい。消費者はより費用効率の高い食料調達方法を探している」(同氏)
フードロス対策に取り組むIT企業は他にもある。
こうした企業は、フードロス対策の市場が豊富なことを裏付ける存在だ。
フードロス削減を目的に事業を展開するモバイルアプリケーションベンダーOLIOの共同創業者で最高経営責任者(CEO)を務めるテッサ・クラーク氏は、次のように話す。「フードロスを取り巻く市場にはさまざまな企業が存在しており、より緊密に協力する必要がある」
クラーク氏は、他のアプリケーションベンダーをライバルとは見なしていない。同氏はフードロス対策に参入する他の企業について、基本的にはライバルではなく仲間だと考えている。同氏にとっての真のライバルは、ごみ箱や埋め立て地であり、これは他の企業にとっても同じことだと言える。「フードロスの量は膨大だ。さまざまな技術を結集する必要がある」(クラーク氏)
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