DXを推進するシンガポールの生命損害保険会社Great Easternは、クラウド移行やアプリケーション開発に積極的に取り組んでいる。その具体的な手法や、重視したポイントとは。
デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組むシンガポールの生命損害保険会社Great Eastern Holdings(以下、Great Eastern)は、クラウドインフラへの移行やアプリケーション開発を進める。その具体的な手法や、重視したポイントについて紹介する。
Great Easternがクラウドインフラへの移行に当たって重視するのは、アプリケーションの設計を変えずにそのまま移行させることではない。同社は100個以上ある既存のアプリケーションを、クラウドインフラに最適な設計に変更している最中だ。
クラウドインフラへの移行計画にはGreat EasternのITグループのメンバー全員が参加し、各自が担当するアプリケーションのPaaS(Platform as a Service)化やコンテナ化に取り組む。ITグループのマネージングディレクターを務めるゲイリー・テー氏は、「コードのリファクタリング(プログラムの動作を変えずに内部構造を整理すること)に時間がかかるため、作業時間は長くなる見込みだ」と語る。
DXを急速に進める中で、テー氏にとってサイバーセキュリティは常に重要な関心事だ。2018年初めに保険契約手続きのオンライン化を目的としたデジタルツールの運用を開始した際、Great Easternは以下のような分野に投資した。
「この先見的な投資によって、Great Easternは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)時に従業員のテレワークを支援できた」とテー氏は話す。
セキュア開発(開発当初から全体のセキュリティに留意する開発手法)もGreat Easternにとっての重要なテーマだ。同社が実践するDevOps(開発と運用の融合)にはセキュリティ対策が欠かせない。同社は以下のようなセキュリティツールや脆弱(ぜいじゃく)性検出ツールも導入している。
テー氏は、2022年中にチームがDevSecOps(開発、運用、セキュリティの融合)を実践できるようになることを期待している。
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