EVメーカーがアリババクラウド“謎PC”「Wuying Cloudbook」導入 その効果は?Alibaba Cloudが提供するノートPCとは【後編】

電気自動車(EV)会社のIM Motorsは、Alibaba CloudのノートPC「Wuying Cloudbook」を先行導入した。どう活用し、どのようなメリットを実感しているのか。

2022年12月20日 08時15分 公開
[Aaron TanTechTarget]

 「Wuying Cloudbook」(無影クラウドブック)は、クラウドベンダーのAlibaba Cloud(アリババクラウド)が2022年11月に発表した、シンクライアント型ノートPCだ。Wuying Cloudbookのエンドユーザーが利用する仮想デスクトップやストレージは、Alibaba Cloudが管理する。医療研究や財務モデリング、石油・ガスのシミュレーションなどの需要を抱えた企業が、Wuying Cloudbookの主なターゲットだ。

EVメーカーは「Wuying Cloudbook」をどう使っているのか

 電気自動車(EV)会社のIM Motorsは、製品設計にWuying Cloudbookを先行導入した。同社はAlibaba Groupと、自動車メーカーのSAIC Motorが設立した合弁会社だ。

 Wuying Cloudbookを使用することで、IM Motorsの研究開発チームは複数の拠点にいながら共同作業が可能になった。「自動車業界では従来、多くの作業工程で大規模なワークステーションが必要だったため、同じオフィスに集まっての共同作業がほとんどだった」と、IM Motorsのインテリジェンスリサーチセンターのエグゼクティブディレクター、ジャオ・シャン氏は語る。

 「Wuying Cloudbookは、処理負荷の高いアプリケーションの実行に必要な計算能力を備えている」とシャン氏は主張。機密設計ファイルデータを転送したり、共有したりする際のセキュリティに関する不安を軽減し、IM Motorsの研究開発チームは自社製品の設計に集中できるようになったという。

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