英スーパーが“食品を売り切る”ために導入したシンプルな販売戦略小売業界が取り組むフードロス対策【第6回】

英国のスーパーマーケットチェーンは店舗におけるフードロスを防止するため、スウェーデンのIT企業が提供するモバイルアプリケーションを試験的に導入した。その特徴や効果とは。

2022年12月20日 05時00分 公開
[Ben SillitoeTechTarget]

 Walmart傘下のスーパーマーケットチェーンAsda Storesは、フードロス(食べることのできる食品が廃棄になること)削減に貢献するツールを探し求めてきた。同社が2020年に試験的に導入したのが、スウェーデンのIT企業Whywasteが提供するモバイルアプリケーションだ。どのような特徴を持つのか。

食品を売り切るシンプルな販売戦略

 Whywasteは、消費期限が近い商品を確認できるモバイルアプリケーション「Semafor」を提供する。同社の創業者クリストファー・ハグシュテット氏が重視するのは、フードロス問題の「予防」だ。

 2020年、Asda StoresはSemaforを店舗に試験的に導入した。同社は数日中に消費期限が切れる商品をSemaforで可視化し、店舗の従業員に商品の値引きといった対策を促せるようになった。「従業員は、消費期限切れ間近の商品を簡単に把握し、対処できる」とハグシュテット氏は話す。同社は2022年末までに全ての店舗にSemaforを導入する計画だ。

 Asda Storesで廃棄物プロセス管理者を務めるアンドリュー・ハドソン氏は、「当社はフードロス削減に活用できる技術やツールを常に探してきた」と話す。Semafor導入後は、店舗からさまざまな反響があった。「このツールが今後もたらす影響に期待している」とハドソン氏は語る。

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