米国の健康保険団体Healthfirstはモバイルアプリ開発に当たってリリース管理自動化ツールなどのDevOpsツール群を導入。リリースの前倒しに成功した。どのようなツールを利用しているのか。
米国の非営利保険団体Healthfirstは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の影響で、2020年秋の提供開始(リリース)を計画していたオンラインサービス用モバイルアプリケーションのリリースを同年夏に早めた。その手段として同社は、幾つかのDevOps(開発と運用の融合)支援ツール群を導入した。どう役立てているのか。
HealthfirstはPlutoraのリリース管理自動化ツールを導入して以降、下記のDevOps支援ツールを利用し、モバイルアプリケーションのアップデートを実施している。
Plutoraのリリース管理自動化ツールは、実際に開発しようとしているアプリケーションと、事前の計画に基づく開発者の構想とを比較し、両者の間で機能が一致していることを確認する。このツールは、ServiceNowのChange Managementが保管する変更管理データのアップデートを自動化できる。
HealthfirstがPlutoraのリリース管理自動化ツールを導入した当初の目的は、リリース管理を整理して自動化することだった。「Plutoraのツールによって『私たちがやるべきこと』を一望できるようになった」と、同社のリリース管理担当ディレクターであるアンソニー・モンジョビ氏は語る。どのアプリケーションが最も多く変更されるか、作業が進むにつれてどこにリスクが生じるかも予測できるようになったという。
こうした可視性は、保険加入が集中する期間(米国の場合、例年10月)に業務を円滑に進める上で重要な役割を果たした。あるチームは9月にリリースするアプリケーションに何百件もの変更を加えようと計画していた。これはまさに保険加入が集中する時期に混乱を招く可能性があった。モンジョビ氏はそのアプリケーションのITリーダーに連絡して「君たちは何をやっているのだ。これは大きなリスクになるぞ」と警告したという。チームはこの変更を11月に延期した。
後編は、遠隔医療ベンダーAccuhealthの事例を紹介する。
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