次世代画像フォーマット「JPEG XL」を“強制的”に使えるようにする方法Googleが“見限った”「JPEG XL」の行く末【中編】

GoogleはWebブラウザ「Chromium」で、「JPEG XL」形式の画像を扱えないようにする。JPEG XLに未来を感じる開発者が講じるべき回避策とは何か。JPEG XL開発の当事者が提案する。

2023年01月12日 08時15分 公開
[Adrian BridgwaterTechTarget]

 Googleは、同社が主導するオープンソースWebブラウザ「Chromium」において、取り扱い可能な画像フォーマットから「JPEG XL」を外すことを決定した。JPEG XLに大きな価値を見いだし、開発リソースを投入している開発者は、どうすればよいのか。JPEG XLの開発に携わる画像・動画管理ツールベンダーCloudinaryで、シニアイメージリサーチャーを務めるジョン・スナイアーズ氏に、こうした開発者のための推奨事項を寄稿してもらった。


推奨事項1.“強制的”にJPEG XLを使えるようにする

 開発者は、WebブラウザがJPEG XLファイルを扱えるようにする「ポリフィル」(Webブラウザに不足している機能を補うプログラム)を作成できる。これには仮想的な命令セットアーキテクチャ(ISA)である「WebAssembly」を活用するとよい。

 JPEG XLのポリフィルには既にデモ版が存在しており、JPEG XL開発チームはポリフィルの導入を容易にするために取り組んでいる。もちろん処理速度などのパフォーマンスという点でも、開発者の利便性という点でも、Webブラウザが標準でJPEG XLを取り扱えるようになるのが望ましい。だがここで提案した方法でも、JPEG XLのメリットはある程度実現する。

推奨事項2.Webブラウザ以外の活用手段を探る

 2つ目はWebブラウザ以外、例えばWebブラウザを使ったモバイルアプリケーションに軽量のJPEG XL用デコーダー(復号機能)を実装することだ。モバイルアプリケーションは仕組み上、独自のデコーダーを搭載できる。このデコーダーの容量は、一般的にモバイルアプリケーション本体と比べると小さい。モバイルアプリケーションが使う画像一式をJPEG XL形式にすることで、他の画像フォーマットを使うよりも画像ファイルの容量を削減できる可能性がある。特にネットワーク経由で画像を頻繁に転送するモバイルアプリケーションでは、メリットが得やすい。


 後編は、3つ目の推奨事項を紹介する。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...