セキュリティベンダーTrellixの調査によると、15年以上前に見つかった「Python」の脆弱性が、いまだにソースコードに入り込んでいる。事態の詳細と、この事態を招いた問題点とは何か。
プログラミング言語「Python」に関する脆弱(ぜいじゃく)性「CVE-2007-4559」が初めて見つかったのは、2007年のことだった。CVE-2007-4559は、PythonでTAR形式のアーカイブファイルを扱うためのライブラリ(プログラム部品群)「tarfile」の関数に存在する脆弱性だ。発見から15年以上が経過しているものの、セキュリティベンダーTrellixの研究者は、いまだにCVE-2007-4559がさまざまなシステムに影響を与えていると警鐘を鳴らす。
Trellixでプリンシパルエンジニア兼脆弱性調査ディレクターを務めるダグ・マッキー氏によると、同社の調査チームは、ある脆弱性を調査していたところ、非公開のシステムでCVE-2007-4559に偶然出くわした。発見当初、調査チームは新しいゼロデイ脆弱性(パッチ未配布の脆弱性)を見つけたと判断したが、詳しく調べてみるとそうではないことが分かったという。
ソースコード共有サービス「GitHub」をTrellixの研究チームが調査したところ、tarfileを組み込んだリポジトリは30万件以上存在した。そのうち61%が、CVE-2007-4559の悪用による攻撃を受ける危険性があった。
TrellixはGitHubに連絡を取り、さらに調査を進めた。その結果、約58万8000件のリポジトリに、tarfileを使っているファイルが約287万件あることが判明したという。
後編は、CVE-2007-4559が広がった原因を、Trellixの研究者の見解に沿って解説する。
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