Intelが新たに提供するプロセッサ群は、PC市場全体が振るわない中でどのような影響を生むのか。「Windows」の利用において“ある利点”が出るという見方がある。
PCの売れ行きが大きく鈍りつつある中、半導体ベンダーIntelはノートPC向けのプロセッサ製品群を発表した。プロセッサ市場での起死回生を狙う同社の製品は、PC市場にどのような衝撃をもたらすのか。
Intelは2023年1月に、プロセッサ製品群「Intel Core」第13世代のノートPC向け「HXシリーズ」を発表した。その最上位モデル「Core i9-13980HX」は、24個のCPUコアを搭載し、最大クロック周波数が5.6GHzになった。Intelは「2022年12月時点で世界最速のモバイルプロセッサだ」と説明する。
HXシリーズと同時に発表になった、同じく13世代Intel Coreの「Pシリーズ」と「Uシリーズ」は、最大14個のCPUコアを搭載。前世代に比べてクロック周波数を上げるなどの性能向上を図っている。
Intel製プロセッサのこうした高速化が、消費者や企業のPC利用に大きな影響を与え得るのかどうかは分からない。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が発生して間もなく、消費者や企業がPCを購入する動きが一気に進み、2022年からPCの売り上げ台数は芳しくない状況だ。
プロセッサ新製品の性能向上の一部に関して、MicrosoftはIntelと緊密に協力している。Microsoftは、Intel製プロセッサの性能向上がOS「Windows 11」の利用を含めたPC利用に恩恵をもたらすと期待している。
Microsoftの最高製品責任者(CPO)のパノス・パネイ氏は「Intel Coreや『Intel Movidius VPU』をOS『Windows』に最適化して利用可能になることで、エンドユーザーはさまざまな利点を得ている」と述べる。Intel Movidius VPUとは、IntelがMovidiusを買収したことで実現したVPU製品だ。Movidiusは、コンピュータビジョン(コンピュータが画像や映像から情報を引き出す技術)用のプロセッサ「VPU」(視覚処理装置)を手掛ける。
第13世代Intel CoreやIntel Movidius VPUを使うことで「Windowsにおける人工知能(AI)技術の活用において、新しい段階を切り開くことができる」とパネイ氏は期待する。
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