「コンピューティング」が英国の学習者にとって魅力的な専攻になる一方、欧州におけるIT業界の人材獲得に関しては、いまだに“ある課題”が残る状況だ。それは何なのか。
英国では大学進学を目指す学習者の間で、ITを扱うコンピュータサイエンスなどの「コンピューティング」の専攻を選ぶ動きが広がっている。一方で企業のIT人材獲得では、幾つかの点で理想と現実のギャップが埋められない状況だという。どういうことなのか。
英国の大学入学資格「General Certificate of Education Advanced Level」(GCE A Level)で、コンピュータサイエンスの試験を選択する学習者の数は、2022年まで4年連続で増加。義務教育後の卒業認定資格「General Certificate of Secondary Education」(GCSE)でも、コンピュータサイエンスの選択者は2021年の7万9964人から、2022年には8万1120人に増加した。
女子学習者の間では、大学などの高等教育機関でコンピュータサイエンスを学ぼうとする機運が高まっている。英国コンピュータ協会(BCS:British Computer Society)によれば、GCE A Levelの試験科目として、コンピュータサイエンスを選ぶ受験者数の男女差は縮まりつつある。それでも、まだ男子の方が多いことに変わりはないという。
欧州では、GCSEとGCE A Levelでコンピュータサイエンスを選択し続ける女子学習者はいるものの、依然として女子学習者のIT系科目からの“離脱”が課題となっている。コンサルティング会社McKinsey & Companyによると、欧州ではGCE A Level準備過程でコンピュータサイエンスを学んだ女子学習者が、高等教育機関ではコンピューティング専攻を選ばない傾向がある。
別の問題は、高等教育機関を卒業する学習者のITスキルが、企業が求める水準に達していないことだ。このことは、継続的かつ安定的な人材供給を可能にする「人材パイプライン」としての、高等教育機関の信頼失墜につながりかねない。
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
トラフィック1300%増、生成AIがEコマースを変える
アドビは、2024年のホリデーシーズンのオンラインショッピングデータを公開した。
「ドメインリスト貸し」は何がマズい? サイトの評判の不正使用について解説
「サイトの評判の不正使用」について理解し、正しい対策が取れるにしましょう。
代理店にもAIにも「丸投げ」はダメ 成果報酬型マーケティングを成功させるポイントは?
「成果報酬型マーケティング」を実現する上でインターネット広告業界が直面する課題とは...