「Internet Explorer」(IE)のサポートが終了しても、世の中にはIEでの利用を前提としたWebサイトが残っている。これらを利用する手段が「Edge」で使える「IEモード」だ。IEモードでは何ができ、何ができないのか。
MicrosoftのWebブラウザ「Microsoft Edge」は「Internet Explorerモード」(IEモード)を搭載する。IEモードは、同社のWebブラウザ「Internet Explorer」(IE)での利用を前提としたWebサイトを、Edgeで直接利用できるようにする。Edgeユーザーなら無償で使えるIEモードとは、どのような機能なのか。“普通のIE”とは少し違う、IEモードの基本的な特徴を整理しよう。
2020年1月、MicrosoftはオープンソースWebブラウザ「Chromium」を基本のソースコードに採用した、Edgeの新バージョンを提供開始。2022年6月には、IEの最後のバージョンである「Internet Explorer 11」のサポートを終了した。それでもEdgeでは適切に動作しない、IEでの利用を前提としたWebサイトは、まだ存在する。それらをEdgeで利用するには、IEモードを利用するとよい。
Edgeの中核を成すChromiumは、GoogleのWebブラウザ「Chrome」のベースにもなっている。Chromiumは、Webサイト表示の高速性と安定性を求めるエンドユーザーからの支持を集めているものの、IE前提のWebサイトの利用には適していない。IEモードはInternet Explorer 11向けに開発されたレンダリング(描画)エンジン「Trident」(MSHTML)に切り替え、IE前提のWebサイトを適切に利用できるようにする。
エンドユーザーはIEモードを使ってWebサイトを開くと、Webページ内のリンクやフォーム、スクリプトなどを、通常のEdgeと同様に利用できる。ただしアドレスバーに別のURLを入力すると、そのURLが指すWebページでIEモードが有効ではない場合、Chromiumモードに戻る。IEモードの有効化は、IT管理者が全社レベルで実施することも、従業員が個人で実施することも可能だ。
IEモードでは、エンドユーザーはEdgeの各拡張機能に加えて、IEが備える幾つかの機能が使える。代表例を以下に示す。
ただし以下のIE機能は、IEモードでは使えない。
Microsoftは2023年2月に提供したIE向けのパッチ(修正プログラム)で、IEを無効化した。企業はこのパッチを適用しても、IEモードを使えば、引き続きIE前提のWebサイトを利用できる。
次回は、IEモードを有効にする方法を説明する。
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