CEO単独インタビュー「新生SUSEが狙うもの」【第6回】
「OSSのコモディティ化」がうれしい商用Linuxベンダーの本音
近年、OSS業界の懸念事項になっているコモディティ化。LinuxベンダーのSUSEはこの動向をどう捉えているのか。単独インタビューで同社CEOに聞いた。
オープンソースソフトウェア(OSS)はコモディティ化が進んでいるのか――。これは企業向けLinuxディストリビューション(配布用パッケージ)ベンダーSUSEにとっても無視できない問題だ。同社はOSSのコモディティ化を独自の視点でみている。どういうことなのか。SUSEのダークピーター・ファン・レーベンCEO(最高経営責任者)とトーマス・ディ・ジャコモCTO(最高技術責任者)が語る。
「OSSのコモディティティ化」がもたらす新たな動向はこれだ
併せて読みたいお薦め記事
連載:CEO単独インタビュー「新生SUSEが狙うもの」
- 第1回:OSSらしくない「Linuxディストリビューションの矛盾」とは
- 第2回:商用Linux「RHEL」の対抗馬“SUSE”が打ち出すこれからの技術とは?
- 第3回:Red Hatの「RHEL」に不満な人を救うのは“SUSE”か?
- 第4回:SUSEの「RHEL代替品」は“朗報”なのか、野望に終わるのか?
- 第5回:商用Linux「RHELの今後」を左右する“SUSEの真意”とは?
Red Hatの強みとは何か
―― 近年、OSSはコモディティ化し、価値が低下していると言われています。この問題についてどうお考えですか。
ファン・レーベン氏 OSSのコモディティ化は確実に起こっていると捉えている。ただしコモディティ化は「大量採用」を意味するので、素晴らしいことだ。
OSSがコモディティ化しているからといって、イノベーションが止まるわけではない。例えば、コンテナで何かを実行する場合、コンテナの中身を知る必要がある。エッジ(ユーザー端末に近い所)でアプリケーションを実行する場合、軽量版のLinuxが必要だ。OSSは、ハードウェア側で開発された技術とともに今後も進化しなければならない。
チップセット(集積回路の集まり)に例えて考えてみよう。チップセットがコモディティ化していたとしても、それを使う他の技術の進化が止まるわけではない。OSSも同じで、さまざまな技術の進化を陰で支えている。
―― 別の視点でお聞きします。SUSEはRancher Labsを買収して手に入れた Kubernetes(コンテナオーケストレーションツール)の管理ツール群「Rancher」の製品展開をどのように推進していますか。
ディ・ジャコモ氏 Rancherは競合他社の同類の製品と比較して広く採用される傾向にあり、エッジにおけるKubernetes管理ツールの業界標準になろうとしている。Rancherは「マルチクラウド」(複数のクラウドサービスの組み合わせ)と「マルチクラスタ」(Kubernetesクラスタの複数運用)、「オープンソース」を前提にした場合の最適なツールだ。競合他社も追い付こうとしているが、到底及ばないと私はみている。
APAC(アジア太平洋地域)において、ユーザー企業によるRancher採用はまだ初期段階にある。SUSEはそのような企業の変革を支援できる立場にいる。当社が何より心掛けているのは「オープン」であることだ。当社製品は他社のモジュールも追加でき、ユーザー企業のシステム群を広く運用対象にできる。クラウドネイティブのエコシステムはオープンでなければならない。
Rancherはインストールが簡単だと考えている。そのため企業に限らず、個人の開発者も広く使っている。Rancherをインストールするのに高度な知識や長い時間は必要ない。これも今後の導入の追い風になると期待している。
第7回は、ビジネス戦略の中でSUSEが今後注力する点に焦点を当てる。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
比較資料
[セコムトラストシステムズ株式会社] 「自社に合うEDR」はどれか分かる? 比較・検討時の見極めポイントを解説 -
製品資料
[アルプス システム インテグレーション株式会社] まだ社内で眠らせたまま? AI活用の糧となる「データ資産」を有効利用するには -
市場調査・トレンド
[AvePoint Japan株式会社] “SCS評価制度”対応の第一歩、自社環境と要求事項とのギャップを把握する方法 -
製品資料
[株式会社BREXA Technology] 情報整理の自動化でインシデントの初動対応を効率化、AIエージェント活用のコツ -
製品レビュー
[ヴィーム・ソフトウェア株式会社] SCS評価制度を導入するだけで十分? 組織の防御力を高める活用方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
パッチなしで「今すぐサーバを落とせ」 Kiteworks異例警告の波紋
-
2
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
3
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
4
Claude Codeでは「エージェントを作るな、スキルを作れ」 Anthropicが示すAI構築術
-
5
デンソークリエイト、Excelからの移行も簡単に行えるプロジェクト管理ツールを発表
-
6
「WSUS」終了の時限爆弾 “本命”移行先ツールとMicrosoft提唱の新管理手法
-
7
いまさら聞けない「ゼロクライアント」と「シンクライアント」の違いを比較
-
8
攻撃で“大慌て”になる企業に欠けていた「サイバーレジリエンス」の視点
-
9
「GPUが待ちぼうけ」の悪夢を防げ AIストレージベンダー7選
-
10
CCの“本来の意味”は? あれじゃないCPUとは 頭文字B、Cの必修ビジネス略語
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
2
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
3
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
6
月1000枚の紙を削減 9年動けなかった組織が、業務改革のその先に得たもの
-
7
「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略
-
8
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
9
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
10
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー