クライアントOSの「Windows 10」や「Windows 11」には、キオスクモードというOSの機能がある。通常のOS利用とは違った利用方法を想定している。セットアップ方法を含めてキオスクモードを解説する。
MicrosoftのOS「Windows」には、通常のOS利用とは異なる「キオスクモード」(Kioskモード)がある。シンプルな利用方法で使いどころはさまざまだ。「Windows 10」や「Windows 11」では、4つの方法でセットアップができる。Windowsのキオスクモードと、利用方法を解説する。
キオスク端末は、特定のOSや機種を指すものではない。モバイルOS「Android」搭載のタブレットや「iPad」、Windows搭載のPCなどをキオスク端末として使うことが可能だ。
特定のアプリケーションの利用に限定した端末として、キオスク端末はさまざまな場所や組織で使われている。例えば医療機関は、受け付け手続きの一環として、個人情報の確認や代金の回収にキオスク端末を使用している。小売店はPOS(販売時点情報管理)のためにキオスク端末を使用することがある。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)時に、テイクアウト用の注文を取るための手段としてキオスク端末を使うようになった飲食店もある。
キオスク端末の役割は特定の用途に限定しているためシンプルだが、セットアップの方法は、エンドユーザーや企業のWindows管理者にはそれほど浸透していない。
Windows 10にもWindows 11にもキオスクモードがある。通常、WindowsのユーザーはさまざまなアプリケーションをPCで使用するが、キオスクモードでは1つまたは少数のアプリケーションのみを使うことが前提になる。
Windows 10のキオスクモードは、キオスク端末として十分な機能を備えているため、比較的古くなった端末を保有する組織は、Windows 10のキオスクモードをセットアップして使うのもよいだろう。
ここではWindows 11のキオスクモードをセットアップするための4つの方法を紹介する。まずは端末の「設定」からWindows 11のキオスクモードをセットアップする方法を紹介しよう。
Windows 11のキオスクモードは、ビジネス向けのエディションである「Windows11 Pro」に搭載されている。複数のキオスク端末を手動でセットアップするのには時間がかかり、設定のミスが発生しやすい。そのため、1台または2台のキオスク端末を設定する場合にのみ、この選択肢を選択するのがよい。
Windows 11でキオスクモードをセットアップするとき、まずはキオスクモードのユーザーアカウント(以下、キオスクアカウント)を設定する(図)。手順は、端末で「設定」「アカウント」「家族とその他のユーザー」と進み、新しいアカウントの名前を入力する。または、既に存在するユーザーアカウントを使用することも可能だ。
ユーザーアカウントの設定が済んだら、次に「キオスクモードを設定する」で「開始する」をクリックする。
次に「キオスクアプリを選ぶ」の画面で、キオスクアカウントがサインインするときに実行するアプリを選択する。この画面では、キオスクモードで利用可能なアプリケーションだけが選択できる。アプリケーションを選択したら、「閉じる」で設定を完了する。
キオスクモード用のアプリケーションを選択する際のガイドラインがMicrosoftから出ている。以下の通りだ。
次回は、Windowsのコマンド実行ツール「PowerShell」を使ってキオスクモードを設定する方法を紹介する。
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