モバイル回線を契約しているiPhoneがあれば、自宅や会社のネットワークが使えない時にテザリング機能で業務を継続できる。テザリング機能はどういうものなのか。操作方法も解説する。
働く場所が自宅や会社であるかを問わず、Appleのスマートフォン「iPhone」ユーザーならば「インターネット共有」(テザリング)機能は覚えておいて損はない。テザリングは、モバイル端末が無線LAN アクセスポイントになる機能だ。
テザリングをオンにしたiPhoneを介することで、他のクライアントデバイスもインターネットに接続できる。自宅のインターネットに不具合が生じたときのバックアップ手段として頼りになる。テザリングの使い方や、初歩的な注意点を解説する。
iPhoneでテザリング機能を利用するには、「設定」「モバイル通信」「インターネット共有」の順に選択するか、「設定」「インターネット共有」の順に選択し、「ほかの人の接続を許可」をオンにする。
その後、ノートPCやタブレットで、利用可能な無線LAN(Wi-Fi)のリストからiPhoneのホットスポットを選択し、必要に応じてパスワードを入力すれば接続できる。そこから先はiPhoneの携帯電話回線を利用して、インターネットにアクセス可能だ。
会社所有のiPhoneの場合は、会社がこの機能を有効にしているかどうかを確認する必要がある。個人所有のiPhoneの場合は、加入している通信事業者のプランを確認しよう。米国の場合、通信事業者のテザリングに関するポリシーには、次のようなものがある。
データ通信量に制約がないプランを利用している場合、iPhoneのテザリングを使うことで他のクライアントデバイスのデータ通信料金を支払わないで済むため、お金の節約になる。
ただし、節約できるのは個人ユーザーに限られるだろう。会社所有のiPhoneの場合は通常、テザリングで利用したデータ通信量は、会社が契約したデータ利用可能容量から使った分だけ引かれる。
企業が従業員にモバイルホットスポットを許可する場合には注意点がある。ほとんどのプランでデータ通信量には上限があり、突然の事態で社員がiPhoneのホットスポットでインターネットに接続しなければならなくなった場合、そのiPhoneに割り当てたデータ通信量を突破してしまいがちだ。
MDM(モバイルデバイス管理)の機能を利用して防ぐことはできるが、前もって準備しておく必要がある。「BYOD」(私物端末の業務利用)であれば、社員はデータプランの上限を超えてしまう可能性はより高くなるだろう。そうなると、追加料金が発生し、企業全体でモバイルのデータ通信速度が低下する事態を招く。
IT管理者は会社のBYODポリシーを調整して、特にモバイルデバイスの利用料金を社員に支給している場合は、モバイルデバイスの「ホットスポットとしての使用」に関する会社の規定も整理するべきだ。
iPhoneをホットスポットして使用すると、バッテリーの減りは確実に早くなる。複数のデバイスがiPhoneに接続するほど、減りやすくなる。複数のデバイスが接続するほどネットワークの速度も低下する。
これらの理由から、iPhoneのテザリングは他の通信回線を利用できない緊急時の使用に適している。
中編はテザリングに関する問題が生じた時の基本的な解決策を紹介する。
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