壊れにくさを追求した「頑丈ノートPC」なら“見るべきスペック”はこれだ「頑丈ノートPC」の概要と主要製品6選【第2回】

過酷な環境下でも使える「頑丈ノートPC」。実際に欲しくなったらどのようなポイントを考慮して選べばいいのか。考えるべき条件や参考にしたい認証規格を紹介する。

2024年01月08日 08時00分 公開
[Ed TittelTechTarget]

 「頑丈ノートPC」とは、落下したり乱暴な扱いを受けたりしても簡単に壊れないような設計のノートPCを指す。ノートPCやタブレットを含む頑丈デバイスを選ぶ際に、見るべきスペックや使用条件、参考にすべき基準を解説する。

壊れにくい「頑丈ノートPC」に求めるスペック

 頑丈ノートPCを選ぶ際に検討したいポイントの1つ目が、デバイスの使用環境だ。温度や湿度、粉じんといった条件の他、電波障害もしくは妨害電波、衝撃、振動、落下など可能性があるかどうかを見定める。電気コンセントが近くにない場合、充電のしやすさやバッテリーの持ち時間といったポイントは非常に重要だ。

 2つ目に検討したいポイントが、デバイスのスペックだ。デバイスで何のアプリケーションを使うのか、扱うデータ量はどれくらいか、ディスプレイの解像度はどの程度必要か、といった点を知ることが重要だ。「CPU」(中央処理装置)の演算性能やマルチタスク機能、メモリやストレージ容量、USBの接続端子、「Bluetooth」や「Wi-Fi」などの無線通信規格への利用可否といった点も考慮する必要がある。

 ノートPCとタブレットのどちらを選ぶかは、キーボードが必要かどうかを含めて、現場での扱いやすさを優先することで決まりやすい。ノートPCを選ぶ場合でも、タッチスクリーン機能が付いていた方が便利だ。デバイスの使用環境と必要なスペックが明確になれば、購入するデバイスの選択肢を絞り込むことができる。

参考にしたい「頑丈デバイス」の認証規格とは?

 頑丈ノートPCの選定時は、米国防総省が制定するMIL規格や関連規格に準拠しているかどうかも考慮したいポイントだ。MIL規格の認証試験では、デバイスをあらゆる過酷な環境下で酷使し、問題なく機能することを実証する。中でも「MIL-STD-810」は最も重要性が高いMIL規格の一つだ。同規格は、米国陸軍の開発や運用テストの認証機関United States Army Test and Evaluation Command(ATEC)の承認を受けており、米国陸軍や米国海軍、米国空軍らが管理する。

 MIL-STD-810が定める認証試験では、大気圧の変化や極端な温度、雨、湿度、菌類(カビ)、耐食性試験としての塩水噴霧、砂じん、爆発、加速、衝撃、銃撃、不規則振動など、あらゆる項目に対する耐性を見る。試験計画から設計、実施までを担うベンダーにとっては、厳しい要件が課される上に費用のかかる試験だ。そのため、MIL-STD-810の認証を受けたデバイスはかなりの耐久性を有すると言える。MIL-STD-810の最新版は、2019年発行の「MIL-STD-810H」だ。


 第3回以降は、頑丈ノートPCの主要製品6つとその性能を紹介する。

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