AMDやQualcomm、Intelといったプロセッサベンダーは、AIモデルが稼働可能なプロセッサのターゲットをノートPCに据えている。その理由は何か。現時点でそうした「AIプロセッサ」を採用する意味はあるのか。
AI(人工知能)モデルを動かすためのプロセッサ「NPU」(Neural Processing Unit)は、AIモデルを入力データに適用して予測や判断をする「推論」を実行可能にする。AMDやQualcomm、Intelといったプロセッサベンダーは、NPUなどの「AI向けプロセッサ」を主にノートPC市場に投入している。それはなぜなのか。
NPUは、推論に掛かる時間と電力の両方の削減が期待できる。NPUの電力効率は、特にノートPCで有効だ。ノートPCをバッテリー駆動させながら、AI技術を使ってWeb会議や画像編集、ゲーム、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)といった分野のアプリケーションを実行する場合において、より大きな価値が見込める。
プロセッサベンダーが極薄ノートPC市場をターゲットにして、AIモデルが稼働可能なプロセッサを投入する理由がこれだ。例えば「Windows」搭載PCについては、今のところベンダーはノートPC向けにNPUを提供しており、デスクトップPC向けの提供はその後になる見込みだという。
AIモデルが稼働可能なプロセッサ向けには現状、顕著なメリットを得られる「キラーアプリ」が存在しないという問題がある。ただし個別ではメリットが比較的小さいアプリケーションでも、組み合わせると生産性やユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させることが期待できる。もちろん演算速度はソフトウェアにも依存するが、より多くのソフトウェアがAI技術を活用するようになるにつれ、専用のプロセッサが不可欠になることは明らかだ。
これらを踏まえると、企業でノートPCやデスクトップPCの仕様決定に携わる際、AIモデルが稼働可能なPCを導入するのであれば、まずはそうしたPCの恩恵を受けそうな従業員グループを特定することから始めることが賢明だ。そうした従業員は一概にして、現在ワークステーションやハイエンドのノートPCを使用しているパワーユーザーだと言える。具体的には以下の従業員だ。これらの従業員はいずれも、より高速なPCがあることで、より多くの仕事をこなせるようになると見込める。
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