UPSは「安心安全」のはずが……バッテリーで変わる非常用電源の火災リスクバッテリー式UPSのリスク【前編】

データセンター停電時の非常用電源になる「無停電電源装置」(UPS)。安心と安全のための装置だが、UPSの種類によっては火災を引き起こすことがある。どのようなリスクがあるのか。

2024年02月15日 08時00分 公開
[Jack PearceTechTarget]

 データセンターの「無停電電源装置」(UPS)は、電力供給が止まった際に非常用電源として機能する装置であり、データセンターの信頼性を確保するために欠かせない。UPSは種類によって抱えるリスクが異なる。特に火災のリスクに関しては、UPSの種類によって明確な違いがある。

UPSの種類で変わるリスクとは

 UPSは主に2種類ある。一つは、フライホイールと呼ばれる回転体でエネルギーを蓄える「フライホイール式」。もう一つは「バッテリー式」だ。フライホイール式は運動エネルギーを電気エネルギーに変換する。バッテリー式は化学エネルギーを電気エネルギーに変換する。

 フライホイール式は、一般的にバッテリー式よりも寿命が長い。数十年にわたり、ほとんどメンテナンスしなくても稼働している場合もある。継続的に運用しても故障が少ないということは、大惨事に発展するリスクを抑制しやすいということだ。

 一方、広く使われてきたのはバッテリー式だ。バッテリーは近年、鉛バッテリーからリチウムイオンバッテリーに置き換わりつつあり、UPSの分野でも同様の動きがある。リチウムイオンバッテリーは「小型化」という点で革命的だった。だが、ノートPCが普及し始めた段階で、オーバーヒート(過熱)や火災の事例が報告されていた。飛行機内でノートPCの電源を落とさなければならなかったのは、それほど昔の話ではない。機内へのノートPC持ち込みを禁止する議論さえあった。

 リチウムイオンバッテリーはノートPCだけではなく、その他の電子機器や電気自動車に搭載されるようになった。ただし「電動スクーターから出火」といった報告は依然としてある。


 後編は、リチウムイオンバッテリー搭載のUPSが抱えるリスクについて解説する。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news018.jpg

Cookie廃止で広告主とデータプロバイダ、媒体社にこれから起きることとその対策
連載の最後に、サードパーティーCookie廃止が広告主と媒体社それぞれに与える影響と今後...

news100.jpg

メタバース生活者定点調査2023 メタバース利用経験は横ばいでも認知は向上
博報堂DYホールディングスによる「メタバース生活者定点調査2023」の結果です。メタバー...

news165.jpg

GoogleのBIツールからLINEにノーコードでデータ連携 primeNumberが「trocco action for Looker」を提供
primeNumberが「trocco action」の提供を開始。第一弾としてGoogleのBIツール「Looker」...