データセンター停電時の非常用電源になる「無停電電源装置」(UPS)。安心と安全のための装置だが、UPSの種類によっては火災を引き起こすことがある。どのようなリスクがあるのか。
データセンターの「無停電電源装置」(UPS)は、電力供給が止まった際に非常用電源として機能する装置であり、データセンターの信頼性を確保するために欠かせない。UPSは種類によって抱えるリスクが異なる。特に火災のリスクに関しては、UPSの種類によって明確な違いがある。
UPSは主に2種類ある。一つは、フライホイールと呼ばれる回転体でエネルギーを蓄える「フライホイール式」。もう一つは「バッテリー式」だ。フライホイール式は運動エネルギーを電気エネルギーに変換する。バッテリー式は化学エネルギーを電気エネルギーに変換する。
フライホイール式は、一般的にバッテリー式よりも寿命が長い。数十年にわたり、ほとんどメンテナンスしなくても稼働している場合もある。継続的に運用しても故障が少ないということは、大惨事に発展するリスクを抑制しやすいということだ。
一方、広く使われてきたのはバッテリー式だ。バッテリーは近年、鉛バッテリーからリチウムイオンバッテリーに置き換わりつつあり、UPSの分野でも同様の動きがある。リチウムイオンバッテリーは「小型化」という点で革命的だった。だが、ノートPCが普及し始めた段階で、オーバーヒート(過熱)や火災の事例が報告されていた。飛行機内でノートPCの電源を落とさなければならなかったのは、それほど昔の話ではない。機内へのノートPC持ち込みを禁止する議論さえあった。
リチウムイオンバッテリーはノートPCだけではなく、その他の電子機器や電気自動車に搭載されるようになった。ただし「電動スクーターから出火」といった報告は依然としてある。
後編は、リチウムイオンバッテリー搭載のUPSが抱えるリスクについて解説する。
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