管理職を育てる人事施策【前編】
遅刻常習犯の部下をどう指導すればいい? 新米上司の“あるある”な悩み
管理職になった全ての人が実務とマネジメントの両方をバランスよく実施できるわけではない。管理職としての経験が浅い人材が、管理職としてうまく育つためには何が必要なのか。
従業員を支えると同時に、従業員を律して組織の生産性を高めることは管理職の重要な役割だ。そのために管理職には、リーダーシップや共感力、謙虚さなどを含むソフトスキルが必要になる。だが管理職になる全ての人物がそうしたスキルを十分に持ち合わせているわけではない。管理職が育つために必要な4つのポイントを紹介する。
1.遅刻常習犯の部下をうまく指導するには? 管理職の振る舞い
ソフトスキルの習熟を目的とした研修を管理者に提供することは、人事部門にとって重要な取り組みだ。業務における悩ましい状況を切り抜ける際に、ソフトスキルが鍵になる場合があるからだ。
人事ソフトウェアベンダーInsperityで人事コンサルタントを務めるマイケル・ティマーズ氏は、「管理職の多くは、従業員との対話の場で人間関係や感情が絡む話題をどう扱い、どのように振る舞えばよいかが分かっていない」と話す。「部下を助けたいとは真剣に思っているが、自分のやり方が正しいのかどうか確信が持てない」と打ち明けられることがあるという。
例えばいつも遅刻してくる従業員がいるとする。管理職はこうした従業員への指導の仕方一つにおいても悩みがちだ。上司は、部下が遅刻をしないようにするための話し合いをどのようにリードすればよいのか。管理職向けのコミュニケーション研修では、こうしたデリケートな話題をうまく扱うこつとして、以下を実践するように指導があるという。
- 感情と論理を切り離す
- 従業員の懸念を丁寧に確認する。その際、必ずしも相手に同意する必要はない
- 従業員が抱えている課題の中で、管理職が支援できる内容を見極める
2.管理職育成の大切さを経営層に理解してもらう
管理職の育成を進めるに当たっては、経営陣から予算を獲得することが大切だ。スキル習得のためには研修コースを受講したり、学習用ソフトウェアを使ったりする必要があるからだ。
管理職育成コンサルタントのジム・フローリー氏は「経営層にとっての懸念事項は、投資利益率(ROI)だ」と話す。人事部門のリーダーは予算を管理職の育成に使う際、どの程度のROIを達成できたのかを経営層に示せるようにする必要がある。
「ROIを示すのは簡単な作業ではないが、経営層に管理職育成への関心を持ってもらうためには間違いなく重要な取り組みだ」。フローリー氏はそう主張する。
後編はコミュニケーションや研修の観点から、管理職育成の取り組みを考える。
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