DXを推進するチームメンバーをまとめ、チームメンバーが活躍できる環境を作るために、リーダーにはどのような能力が求められるのか。ITコンサルティング企業のプレジデントに聞いた。
デジタルトランスフォーメーション(DX)を統率するリーダーが身に付けるべきソフトスキル(共感力や謙虚さ、マインドフルネスなどの非定型スキル)は何か。ITコンサルティング企業StarCIOのプレジデントであるアイザック・サコリック氏は、自著『Digital Trailblazer: Essential Lessons to Jumpstart Transformation and Accelerate Your Technology Leadership』で3つのキーワードを挙げている。小規模な変更を短期間のうちに繰り返す「アジャイル」な考え方、「試行錯誤」を許容する力、「共感力」だ。
―― DXをアジャイルに進める上で、IT部門のリーダーが取り組むべきことは何ですか。
サコリック氏 まずは、DXを一緒に進める従業員や、DXプロジェクトの予算を動かす部門長が、DXの目的を理解できているかどうかを確認することだ。
ソフトウェア開発の視点でDXを考えることも大切なポイントだ。できるだけ早くDXの取り組みに着手し、成果物を提出し、フィードバックを得るというサイクルを繰り返す。フィードバックに基づいて、取り組みの優先順位や投資金額の妥当性、実装の仕方などを再検討した方がいいのかどうかを見直し、課題に気付くことができる。フィードバックがあれば以下の確認もできる。
フィードバックを通じて気付いた課題は、アクションを「スプリント」(設計から改善までの一連のサイクルを実施する短い期間)に落とし込み、チームで共有する。今期のスプリントで得たフィードバックを次のスプリントに生かして、新たなタスクをチームメンバーと検討するためだ。スプリントが終了したら振り返りを実施し、次のスプリントの目標を再調整し、軌道修正に取り組むことを繰り返す。
大切なのは、DXのあらゆるレベルでアジャイルに行動することだ。
後編は、DXのリーダーに求められるソフトスキルのうち「試行錯誤」を許容する力、「共感力」について紹介する。
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