「スクラム」と「カンバン」は、アジャイル型開発を実現する開発手法だ。それぞれの特徴や、スクラムの進め方を大まかに解説する。
小規模な変更を短期間のうちに繰り返す「アジャイル」型開発を実現するための手法は複数ある。代表例が「スクラム」と「カンバン」だ。スクラムとカンバンの違いや、手法を選択する際のポイントを紹介する。
スクラムは、短く区切った開発期間である「スプリント」を繰り返し、期間内で特定のゴールを達成することを目指す。これは小さなチームが複雑な問題を解決するのに役立つ手法だ。一方のカンバンは、開発プロセスにおける作業項目に着目し、項目の状態や優先順位などを細かく管理する。
スクラムとカンバンは広く普及しているアジャイル型開発手法であり、以下をはじめとする複数の共通理念を持つ。
スクラムがカンバンと大きく異なる点は、反復的な方法を採用することだ。スクラムではスプリントを活用する。スプリント開始時のプランニングでは、プロダクトオーナーや開発者、スクラムマスター(チーム全体の調整役)が話し合って、バックログ(実装すべき機能のリスト)を作成する。その後、2〜4週間の期間で幾つの機能を実装できるかを考えた上で、スプリントのゴールを設定するという流れを踏む。
ゴールを設定したら、プログラミングに移る。スプリントが終了すると、スプリントの成果に対してステークホルダーからフィードバックを得るレビューを実施する。具体的には開発の進み具合や、スプリントごとのゴールを達成できたかどうかを確認する。最後のレトロスペクティブ(振り返り)においては、スプリントにおけるチームの成功や問題を評価したり、次のスプリントに向けた改善案を議論したりする。
スプリントではこれらのプランニング、レビュー、レトロスペクティブを実施する必要があり、いずれもスクラムの重要な要素だ。
次回は、カンバンの主な特徴を取り上げる。
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