ソフトウェア開発にまつわる10個の神話【第5回】
「アジャイルならドキュメントを残さなくてOK」が根本的に間違っている理由
ソフトウェア開発を効率的に進めるための手法として「アジャイル」型開発が浸透している。一方で「正しいアジャイル型開発」に関する誤解が存在することも事実だ。何がどう間違っているのか。
ソフトウェア開発分野には、誤解に基づく複数の“神話”が存在する。そうした10個の神話のうち、今回はエンジニアの間で広がっている“誤った習慣”と、その真実をひも解く。
神話8「アジャイル型開発ではドキュメントを残さなくてもよい」
併せて読みたいお薦め記事
連載:ソフトウェア開発にまつわる10個の神話
- 第1回:エンジニアをいくら増やしても「納期遅れ」を回避できないのはなぜ?
- 第2回:「OSSはソース丸見えだから危険」が実は“間違い”なのはなぜ?
- 第3回:「プログラミングはつまらない」説を論破する“納得の根拠”はこれだ
- 第4回:“プログラミング言語なんてどれも同じ”論者もうなずく「言語の違い一覧」
エンジニアのためのノウハウ
小規模な変更を短期間のうちに繰り返すソフトウェア開発手法が「アジャイル」型開発だ。アジャイル型開発の中核的な考え方を示す言葉に「網羅的なドキュメントよりも、動くソフトウェアに価値を置く」(Working software over comprehensive documentation)がある。この言葉はいつの間にか「アジャイル型開発チームはドキュメントを作成しなくてもよい」という趣旨の神話に変わってしまった。
アジャイル型開発は確かに「ドキュメントは少ないほどよい」という思想を持つ。それでもドキュメントは必要だ。全てのソフトウェア開発プロジェクトには、ソフトウェアをどのように開発するのかについて、主要な設計決定の根拠となるドキュメントが必要になる。加えてソフトウェアユーザーにはソフトウェアの使い方を説明するドキュメント、ヘルプデスク担当者にはソフトウェアに関するサポート方法を説明するドキュメントを用意する必要がある。
「アジャイル型開発には、ドキュメントは必要ではない」――。こうした考え方は、誰の役にも立たない。
第6回は、9つ目の神話を紹介する。
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