Teamsがもっと便利になる「Copilot」の“コスパが良い機能”はこれだ月額30ドルに見合う活用術

「Copilot」を活用して「Microsoft Teams」の機能性を高めるには、効果的な使い方を理解しておく必要がある。その活用術を紹介しよう。

2024年09月10日 05時00分 公開
[Irwin LazarTechTarget]

 「Microsoft Copilot for Microsoft 365」(以下、Copilot for Microsoft 365)は、AI(人工知能)技術を活用したアシスタント「Microsoft Copilot」(以下、Copilot)を、サブスクリプションサービス「Microsoft 365」の各アプリケーションで使用できるプランだ。テキストや画像を自動生成するAI技術「生成AI」を活用し、特にコラボレーションツール「Microsoft Teams」(以下、Teams)の機能性を高めることができる。

 Copilot for Microsoft 365は、エンドユーザー1人当たり月額30ドルかかる。費用対効果を高めるには、Copilotのどのような機能がTeamsで役立つのか。Copilot for Microsoft 365の導入前に理解しておきたい効果的な活用方法とは。

Teams向けCopilotの“コスパが良い機能”

 CopilotはTeams向けにさまざまな機能を備える。以下はその一例だ。

  • Teamsで実施したWeb会議の内容を要約する
  • 会議中に利用可能なチャットbotを通して、会議の参加者が質問したり、遅れて参加した会議の状況を確認したりできるようにする
  • Teamsのチャットから会議アジェンダを作成する
  • 会議の参加者にアクションアイテム(タスク)を割り当てる
  • クラウド電話サービス「Teams電話」の通話内容を自動で要約する

 ユーザーエクスペリエンス(UX)の観点では、CopilotはTeamsユーザーが必要なタイミングで必要な情報を提示することで、Teamsの使いやすさを向上させる。会議の参加者は会議のメモを取ることに気を取られることなく、会話に集中できるようになる。会議中のチャットのやりとりが長くなった場合でも、参加者はCopilotにチャット内容の要約を指示して、全てのメッセージを読まずに内容を把握可能だ。

 Copilotの導入を検討する際は、Copilot for Microsoft 365と、Microsoft 365用のプラン「Microsoft Teams Premium」を比較する必要がある。いずれのプランでも上記の機能を利用できるが、Copilot for Microsoft 365は、他のMicrosoft 365アプリケーションでもCopilotを利用可能だ。

CopilotのROIを高めるには?

 ここまでで説明したように、TeamsユーザーがCopilotを使えば、会議でメモを取る手間が省け、チャットや議事録に埋もれた重要な情報を見つけ出しやすくなり、生産性の向上が期待できる。チャットの中から重要な決定事項を取り出し、会議前に出席者に共有すれば、会議時間を短縮でき、一部の会議は開催せずに済む可能性がある。会議時間の短縮は、従業員の生産性向上だけではなく、コストの削減や収益の創出も望める。

 ただし会議時間の短縮が必ず業務改善につながるとは限らない。会議に費やす時間が短くなっても、従業員はその時間をショッピングやニュースのチェックといった仕事とは関係のない活動に費やす可能性がある。

 ユーザー企業は、Copilotで改善できる業務とその効果を明らかにする必要がある。以下はその一例だ。

  • 営業サイクルの短縮と商談への対応力を改善して商談成約率を高め、収益を向上させる
  • 人員の削減や人員拡大のペースの抑制によって、コストを削減する
  • 製品アップデート、マーケティングや販売のキャンペーン作成、「スクラム」型開発など、反復作業に費やしている時間を削減する
    • スクラムは、「スプリント」(短く区切った開発期間)を繰り返すアジャイル型開発の手法。
  • 従業員が仕事への自信とエンゲージメントを感じられるようにし、ストレスを軽減することで、離職率を抑える

 このようにROI(投資利益率)を算出するには労力が必要だが、Copilotへの投資が具体的な効果につながる可能性を高めることが可能だ。

Copilotの導入効果を高める方法

 Copilot導入の効果を高める方法の一つは、エンドユーザーのトレーニングだ。Copilotでできることとできないこと、Copilotのメリットを高めるプロンプト(生成AIに対して出す質問や指示)の作成方法をエンドユーザーに理解してもらう必要がある。

 これまで筆者は取材の中で、Copilotが作成できないコンテンツを、作成できると思い込んでいる初心者ユーザーの話を幾度か耳にしたことがある。こうした過剰な期待によって、エンドユーザーが「Copilotには利用価値がない」と結論付け、Copilotを利用しなくなる可能性がある。これに対して、プロンプトの作成方法を時間をかけてエンドユーザーに指導しているユーザー企業は、Copilotの利用価値を引き上げられる見込みがある。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

鬮ォ�エ�ス�ス�ス�ス�ス�ー鬯ィ�セ�ス�ケ�ス縺、ツ€鬩幢ス「隴取得�ス�ク陷エ�・�ス�。鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�、鬩幢ス「隴主�讓滂ソス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�シ鬩幢ス「隴乗��ス�サ�ス�」�ス�ス�ス�ス

事例 双日テックイノベーション株式会社

さくらインターネットのサポート窓口が「Zoom Phone」を選んだ理由とは?

さくらインターネットのカスタマーセンターにおける電話システムは、耐久年数や可用性・冗長性に課題が出ていた。また、在宅環境での通話品質の劣化も発生していた。これらの課題の解決に向けて、同社が導入したのが「Zoom Phone」だ。

比較資料 アイティメディア広告企画

グループウェア主要製品を徹底比較、ユーザーが評価した項目は?【2025年春版】

業務効率化や社内外のコミュニケーション活性化などを目的に、多くの企業でグループウェアの採用が進んでいる。製品選びのヒントとして、レビューサイト「ITreview」のユーザーレビューを基にした製品レポートを紹介する。

製品資料 株式会社kickflow

300社の企業調査で分かった、ワークフローのデジタル化における2つの課題とは?

ある調査によると、稟議や申請などのワークフローのデジタル化においては「学習コストの高さ」「運用の面倒さ」という2つが大きな課題であることが分かったという。そこでこれらの課題を解消する「クラウド型ワークフロー」を紹介する。

製品資料 株式会社kickflow

ワークフローはグループウェアの機能で十分? よくある問題とその解決方法

グループウェアのワークフロー機能は手軽に利用できる半面、機能的に不十分なケースもあり、企業規模の拡大や組織の複雑化に対応できないことも多い。本資料では、グループウェアのワークフロー機能における問題点や解決方法を探る。

製品資料 株式会社kickflow

ワークフローシステムのリプレース時に注意すべき「4つの落とし穴」とは

ある中堅規模のメーカーにおけるワークフローシステムのリプレースは、当初の半年という計画を大きくオーバーランして完了した。この事例を通じて、ワークフローシステム導入やリプレースで陥りがちな「落とし穴」とその回避策を解説する。

アイティメディアからのお知らせ

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

Teamsがもっと便利になる「Copilot」の“コスパが良い機能”はこれだ:月額30ドルに見合う活用術 - TechTargetジャパン 情報系システム 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

TechTarget郢ァ�ク郢晢ス」郢昜サ」ホヲ 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

鬩幢ス「隴取得�ス�ク陷エ�・�ス�。鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�、鬩幢ス「隴主�讓滂ソス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�シ鬩幢ス「隴乗��ス�サ�ス�」�ス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ゥ鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ウ鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�ュ鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ウ鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�ー

2025/06/14 UPDATE

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...