“ストレスフリー”な通勤を実現 IT人材にお薦めの米都市とは?通勤時間が短い米都市10選【後編】

通勤時間の短縮は、自由な時間を生み出し、ストレスを軽減するといった有益な効果をもたらす。米国でIT分野の職業に就くなら検討したい、通勤時間の短い米国都市とは。

2025年03月08日 08時15分 公開
[Kinza YasarTechTarget]

関連キーワード

人事


 通勤時間を短くしたいという願望はよくあるものだ。自由な時間を創出でき、環境や経済にもやさしい。ライドシェア事業者Lyftは2024年8月、米国在住の18歳以上1404人を対象としたアンケート調査と、自社ライドシェアサービスのデータを分析し、「通勤しやすい米国都市ベスト10」をまとめた。それを基に、IT産業が賑わっている通勤が楽な全米の都市10個のうち、5~10番目を紹介する。

楽に通えて楽しく暮らせる都市とは?

5.ローリー(ノースカロライナ州)

 ローリーは東海岸を代表するIT産業拠点へと急成長した。IT分野の持続的な成長とイノベーションの原動力となる大学や研究機関に支えられ、IT専門家がバランスの取れたライフスタイルを実現している。デューク大学(Duke University)、ノースカロライナ大学チャペルヒル校(University of North Carolina at Chapel Hill)、ノースカロライナ州立大学(North Carolina State University)といった名門大学が優秀な卒業生を輩出し、教育水準の高い労働力を誇る。

 IT関連の職場の大半は住宅地に近く、短時間で快適な通勤が可能だ。公共交通機関やカープーリング(車の相乗り)といったさまざまな通勤手段が整っており、通勤の利便性を高めている。平均通勤時間は24分だ。

6.オースティン(テキサス州)

 「シリコンヒルズ」とも呼ばれるオースティンのIT産業の活況は、スタートアップ(新興企業)と大手企業を魅了している。General Motors、IBM、Dell Technologies、Deloitte、Amazon.comといった大企業が給料を競い合い、オースティンをIT専門家にとって魅力的な都市にしている。

 市が公共交通機関と自転車に優しいインフラ整備に力を入れているため、労働者は快適な通勤が可能だ。Lyftの調査では平均通勤時間は24.5分となっている。音楽やグルメ、アウトドア活動に彩られた活気ある生活を送ることができる。

7.ラスベガス(ネバダ州)

 Lyftの調査でラスベガスは通勤時間帯の移動速度が遅くならない2つの都市のうち一つ(もう一つはコロンバス)で、6.3%速くなる。通勤のカープーリング率が特に高い都市である点も特徴だ。平均通勤時間は25.6分だ。

 かつてきらびやかさで知られたラスベガスは、いまやIT産業の拠点として急浮上しており、シリコンバレーの経営者らも注目し始めている。Zappos.com(2009年にAmazon.comが買収)、Plan A Technologies、Switchといった先駆的なIT企業にけん引されて、過去数年でIT職の求人は急増した。住宅価格が他のIT産業拠点に比べると比較的手頃なことも、IT人材にとっての魅力になっている。

8.ボストン(マサチューセッツ州)

 米国勢調査局によると、2023年に徒歩で通勤している米国人はわずか2.4%だ。そうした中でボストンは突出しており、13.9%が徒歩で通勤している。この歩きやすさが通勤の手軽さの一因だ。市内に張り巡らされた地下鉄「T」は労働者と職場を素早く結び、快適に通勤できる。

 ハーバード大学(Harvard University)やマサチューセッツ工科大学(MIT:Massachusetts Institute of Technology)といった名門大学があるボストン都市圏は、教育とイノベーションの歴史がある。IT分野のスタートアップや大企業がひしめくこの都市は、レビューサイトCloudwards.netが公開している、IT専門家にとっての全米ベストシティーランキング2025年版で8位を獲得した。

9.サンフランシスコ(カリフォルニア州)

 サンフランシスコにはGoogle、Apple、Meta Platformsといった超大手ITベンダーの本社があり、特にAI(人工知能)分野では世界のIT首都としての地位は揺らいでいない。ベンチャーキャピタルSignalFireによると、2023年シリコンバレーのあるサンフランシスコ湾岸エリアはIT技術者の数が全米で最も多く、大手ITベンダーに所属するエンジニアの49%、スタートアップに所属するエンジニアの27%が暮らしている。

 交通渋滞はあるものの、集約的な都市計画のために、特にソーマ地区やミッション地区ではIT業界で働く人が職場の近くに集まっている。鉄道「BART」(Bay Area Rapid Transit)や市営鉄道(Muni:San Francisco Municipal Railway)といった公共交通機関や、自転車に優しいインフラのおかげで、快適に通勤できる。平均通勤時間は30分だ。

10.シカゴ(イリノイ州)

 シカゴは列車やバスの交通網が充実しており、自転車に優しいインフラもある。「ウィンディーシティー」と呼ばれるシカゴには、自転車シェアリングサービス「Divvy」があり、自転車保護レーンが整備されていることから、市内で安全なサイクリングが楽しめる。こうした環境に優しい車の代替手段やエコプーリングは、健康的で効率的な通勤手段を求める労働者にとって魅力的だ。平均通勤時間は33分となっている。

 経済誌「Fortune」が発表する企業ランキング「Fortune 500」に選ばれた企業で、シカゴに本社を置くものは複数ある。シカゴにある有名大学が優秀なIT系人材を輩出していることから、豊富な雇用機会があるのも特徴だ。ITベンダーのオフィスや工業団地、研究機関などが集まっているIllinois Technology and Research Corridorは、シカゴのIT産業を盤石にしている。こうした企業の強さと優秀な学術機関、優れた公共交通機関が組み合わさって、IT専門家にとってのシカゴの魅力を高めている。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国Informa TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

製品資料 株式会社ラクーンフィナンシャル

法人用クレジットカードだけでは利用しづらい? B2B取引に最適な決済手段は

サブスクリプション型のサービスを利用する際、支払い方法として一般的なのがクレジットカードだが、中小企業では法人カードの普及率が20%程度と低く、使いづらいという声もある。法人カードに代わる決済手段には、何を選ぶべきだろうか。

事例 ServiceNow Japan合同会社

シスラボの事例に学ぶ、ノーコード開発で業務システムを抜本的に改善する方法

業務システムの老朽化が進み、属人化やブラックボックス化が大きな問題となっている企業も少なくない。システム開発企業のシスラボは、同様の問題をノーコード開発ツールの導入と生成AIの活用で解決した。同社の取り組みを詳しく解説する。

製品資料 レッドハット株式会社

アプリケーションのモダナイズを効率的に行うための方法とは?

現代のビジネス市場で存在感を高めるためには、アプリケーションのモダナイズが重要だ。しかし、新たなアプリケーションを迅速に展開するのは、簡単なことではない。そこで、容易にアプリケーション変革を実現する方法を紹介する。

製品資料 レッドハット株式会社

AI/ML対応アプリ開発のための基盤を、迅速かつ簡単に構築するための方法とは?

AIおよびMLは、今や革新的なアプリケーションを支える重要なテクノロジーの1つであり、ビジネスメリットをもたらす鍵となりつつある。その一方で、独自のAIプラットフォームの構築と運用に、多くの組織が苦慮しているという現実がある。

技術文書・技術解説 アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社

コンテナのサイズ削減に使用するベースイメージ、用途に合うものをどう選ぶ?

コンテナ利用に際しては最初にイメージを作成するが、そのファイルサイズが小さいほど短時間で起動できるため、サイズ削減を行う機会が多い。その実践に役立つヒントとして、主要なベースイメージごとの特徴・ユースケースを紹介する。

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

“ストレスフリー”な通勤を実現 IT人材にお薦めの米都市とは?:通勤時間が短い米都市10選【後編】 - TechTargetジャパン システム開発 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

TechTarget郢ァ�ク郢晢ス」郢昜サ」ホヲ 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。