覚えておきたい新しいIT投資先、「SoE」「SoI」とはシステムは「記録」から「連係」へ

IDCは、2016年までに企業のIT投資の65%が既存の「Systems of Record」ではなく「Systems of Engagement」や「Systems of Insight」になると予想する。

2015年02月05日 15時00分 公開
[Rick VillarsTechTarget]

関連キーワード

CIO | IT部門 | IT投資 | IT戦略


 企業のCIOは、自分の仕事が単に既存の「Systems of Record」(SoR:記録のためのシステム)を保守、拡張するだけでなく、外部のサービスと連係する「Systems of Engagement」(SoE:人との関係を構築するためのシステム)や「Systems of Insight」(SoI:SoRとSoEの両方から新たな知見から洞察を得るためのシステム)の構築へと拡大しつつあることを認識する必要がある。IT部門はこうした新しいタイプのシステムについて、発達の特性やライフサイクル、資産活用面での特性などの検討を始めるべきだ。こうした新種のシステムの構築に備えることは今後、極めて重要となる。

 例えば、大半のIT部門は現在稼働中のSoRについては、「向こう何年間か使用するもの」と捉えている。システムの更新はするにせよ、恐らく10年以上は使うつもりでいるはずだ。つまり、たとえ基盤のインフラが変わっても、SoRは変わらないということだ。移行計画は極めて重要かつ時間のかかる作業となる。

 一方、SoEは半年ペースで変わっていく可能性がある。移行ではなく、運転を停止し、データを保存した上で次の取り組みに移るというかたちでだ。従ってIT部門は、この従来とは大きく異なるアプリケーションのライフサイクルに対応できるよう、態勢を整える必要がある。こうしたシステムの多くはマネージドサービスとして提供されることになるので、今後CIOには適切なスキルを備えたサービスパートナーを探すことが求められる。

 さらにCIOは、SoEとSoIでは、データ管理とデータ利用の重要性が高まることも認識しておく必要がある。CIOが取り組むべきは、従来のストレージシステムやアプリケーション環境に付随する管理の負担を軽減し、利用のしやすさを向上させることだ。IT部門は、より確実で迅速な情報共有を可能にするだけでなく、セキュリティと監査可能性の問題にも対処し、そうした情報の利用をより的確に管理し、誰がいつどのように情報を使用しているかをより正確に把握できるようにしなければならない。

 こうした新種のシステムでは、サービスの作成と定義の要件もより複雑となる。そこで注目されているのが、クラウドオーケストレーションやクラウド自動化といった技術だ。現状では、大半の企業の取り組みがインフラやOSレベルにとどまっているが、多くの場合それでは不十分だ。

 必要なのは、プラットフォーム層でのデータサービスやデータ管理にフォーカスした自動化サービスだ。自動化が必要なのはOS層ではなく、データベースやミドルウェア層であり、探すべきはそうした層に自動化を追加するソリューションだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

鬮ォ�エ�ス�ス�ス�ス�ス�ー鬯ィ�セ�ス�ケ�ス縺、ツ€鬩幢ス「隴取得�ス�ク陷エ�・�ス�。鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�、鬩幢ス「隴主�讓滂ソス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�シ鬩幢ス「隴乗��ス�サ�ス�」�ス�ス�ス�ス

製品資料 TDCソフト株式会社

たった一週間でDXを加速 「ServiceNow導入・活用」徹底ガイド

デジタル化における部分最適の課題を解消し、全体最適を実現する次世代プラットフォーム「ServiceNow」。その特徴や導入事例とともに、スピーディーかつ低コストで業務効率化を実現できる導入テンプレート製品を紹介する。

製品レビュー TDCソフト株式会社

リソースや人材が不足する企業が「ServiceNow」を楽に導入・運用する方法とは

デジタル化が加速する中で、システムのサイロ化に課題を抱えている企業も多い。こうした状況を解消するために、あらゆるシステムや業務をつなぐ管理基盤の導入が注目されているが、リソースや人材が不足する中でどう進めればよいのか。

製品資料 グーグル・クラウド・ジャパン合同会社

ビジネス価値の測定にFinOpsを活用、クラウド変革で得られる5つのベネフィット

企業のクラウド移行が進む一方、「クラウド化によってどれだけの効果が得られたのか」といった疑問は拭えない。この疑問を解消する鍵は「FinOps」の確立だ。本資料では、FinOpsに基づき、クラウド活用による5つの利点について解説する。

事例 アルテリックス・ジャパン合同会社

設計品質の向上と設計時間の大幅短縮を実現、DXを加速させるAI基盤の実力

東洋エンジニアリングは、2019年にDXoT推進部を立ち上げ、全社横断的なDXに取り組んでいる。そこで従来、一部の部門で活用されていたAI基盤を他の部門に展開することで大きな成果を生み出したという。同社の取り組みを詳しく解説する。

製品資料 TeamViewerジャパン株式会社

スマートロッカーのトラブル対応、リモートでリアルタイムに行うには?

スマートロッカー(自動で荷物の預け入れなどが行えるIoTベースのロッカーシステム)が普及する一方で、遠隔地に分散する多数の装置を効率的かつ安全に管理・保守することが難しくなっている。この課題解決のカギを握るのがリモートだ。

鬩幢ス「隴主�蜃ス�ス雜」�ス�ヲ鬩幢ス「隰ィ魑エツ€鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�シ鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�ウ鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ウ鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ソ�ス�ス�ス雜」�ス�ヲ鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ソ�ス�スPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

覚えておきたい新しいIT投資先、「SoE」「SoI」とは:システムは「記録」から「連係」へ - TechTargetジャパン 経営とIT 鬮ォ�エ�ス�ス�ス�ス�ス�ー鬯ィ�セ�ス�ケ�ス縺、ツ€鬯ョ�ォ�ス�ェ髯区サゑスソ�ス�ス�ス�ス�コ�ス�ス�ス�ス

TechTarget鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�ク鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�」鬩幢ス「隴乗��ス�サ�ス�」�ス雜」�ス�ヲ 鬮ォ�エ�ス�ス�ス�ス�ス�ー鬯ィ�セ�ス�ケ�ス縺、ツ€鬯ョ�ォ�ス�ェ髯区サゑスソ�ス�ス�ス�ス�コ�ス�ス�ス�ス

鬩幢ス「隴取得�ス�ク陷エ�・�ス�。鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�、鬩幢ス「隴主�讓滂ソス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�シ鬩幢ス「隴乗��ス�サ�ス�」�ス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ゥ鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ウ鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�ュ鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ウ鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�ー

2025/05/02 UPDATE

ITmedia マーケティング新着記事

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...