技術者の採用面接では応募者のどんなスキルを見極め、どんな質問をすればいいのか。そのポイントを紹介する。
IT管理職にとって人材を採用する過程で最大の課題は、最高の技術を持った適切な技術者を適職に配置することだろう。候補となる人材の専門技術分野ばかりに注目する採用担当者も多いが、ヒューマンスキルを考慮することも同じくらい大切だ。
わたしの経験では、技術者の面接は、候補となる人材の技術力評価とコミュニケーション能力評価という2段階に分けると最もうまくいく。資格それ自体は必ずしも技術力を示す最高の指標になるわけではないが、面接はまず最初にMCSEやMCSDといった資格や適切な職務経歴があるかどうかに焦点を当てるといいだろう。
採用過程におけるヒューマンスキルの方だが、わたしは長年にわたってWindowsシステム、ネットワークおよびデータベース管理者の採用に携わり、主に2つの教訓を学んだ。コミュニケーション能力に着目すること、および人は常にナンバー1を目指すものだということ忘れてはいけないということだ。
人格評価に当たっては、相手の動機が何なのかを探ることだ。その人物は組織になじんでくれるのか。一緒に働きたいと思うか。世界一高度な知識を持つActive Directoryエンジニアや、Vistaのことなら何でも知っているという人材がいたとしても、コミュニケーション能力がなければ、その人物が自社に溶け込んだり、緊急事態に対処する気になってくれることを期待できるだろうか。コミュニケーション能力とは言葉以上のものだということは念頭に置いておきたい。対人関係能力、常識、文章によるコミュニケーション能力も含まれるのだ。
では、どうしたら適切なヒューマンスキルを持った人材を見分けられるのか。明確な理論は存在しないが、採用面接で技術者のヒューマンスキル評価の助けになるポイントを以下に挙げる。
実際のITの状況を提示し、自分の技術を使ってその問題をどう解決するかを尋ねる。例えばWindowsシステム管理者の採用面接であれば、新機能のPowerShellを使って自分の仕事の効率をどう上げるかを尋ねてみるといい。緊急時のコミュニケーション能力を測るには、問題について同僚と連絡を取るための段階を追ったアクションプランの提示を求める。緊張状態の中でその人物がどんなコミュニケーションを取るかを見極めよう。もし質問に答えられなかったり、答えが分からないということを認めようとしなければ、それまでだ。
一緒に仕事をしてうまくいくのは、大抵の場合は困難なときに互いに結束して協力できる人物だ。自社全体のことを理解し、新しく採用する人物が既存のチーム力学に順応できるかどうかを見極めることが重要だ。チームの全員が親しくなる必要はないが、応募者の人格と仕事のスタイルがチームと合っているか、または補完するものになるかどうかを見極めよう。
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