Microsoftは、ITマネジャーのマインドセットを変えるという困難な仕事に挑戦している。仮想化は、サーバの統合や管理の簡素化のためだけのものではないというのが同社のスタンスだ。
企業のIT部門はサーバ、デスクトップ、アプリケーションの全般にわたって、仮想化の導入やその本格的な検討を進めている。ハードウェアや電力のコストを削減するとともに、IT環境の運用管理の手間を軽減することが目的だ。
こうした実際的なメリットが、IT部門によるこの技術の採用を促進している要因だろうが、MicrosoftはITマネジャーのマインドセットを変えるという困難な仕事に挑戦している。仮想化は、サーバの統合や管理の簡素化のためだけのものではないというのが同社のスタンスだ。
仮想化は、デバイス単位ではなくコンピューティングパワーの必要量に基づいてプロビジョニングが行われる、ユーザー本位のコンピューティングへの足掛かりだとMicrosoftは考えている。
サーバ仮想化による統合というレベルからさらに踏み込んで考えれば、データセンターをマシンA、マシンB、マシンCという切り口で扱う必要のないことが分かるだろう、とMicrosoftの統合仮想化戦略ディレクター、デビッド・グレシュラー氏は説明した。「例えば、データセンターを『これだけの量のコンピューティングパワーが利用できる』というようにとらえることができる」
また、仮想化を利用すれば、同じアプリケーションセットがインストールされた同じデスクトップPCやノートPCをエンドユーザーに一律に支給する必要もないという。
これらは、Microsoftの新しいメッセージではない。同社はこのアプローチの要素を、最初は「Dynamic Systems Initiative」として、より最近では「Dynamic IT」として打ち出してきた。だがMicrosoftは現在では、同社が推進しようとしているサービスビジョンを支える製品群をようやくそろえ、販売できるようになっている。
Microsoftのサーバ&ツール部門の上級副社長、ボブ・マグリア氏によると、2008年10月26日〜30日に開催されたイベント「Professional Developers Conference」(PDC)で、同社はオンプレミス(自社運用型)クラウドコンピューティングに必要な幅広いサービス(※編注)の詳細と、スケーラビリティの実現における仮想化の重要性を解説した。
※編注:クラウドサービスプラットフォーム「Azure Service Platform」と、その基盤であるクラウドOS「Windows Azure」のこと。
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