PLMを活用して業務効率を改善するには、ERPをはじめとしたほかの基幹業務システムとの連携が不可欠だ。こうしたシステム連携は、単にデータを受け渡しするだけでなく、プロセスの連携まで考慮に入れる必要がある。
PLM(製品ライフサイクル管理)が技術部門や製品開発部門の垣根を越えて全社的に重要な業務になってきたのに伴い、企業は現在PLMプラットフォームをERPやMES(製造実行システム)などの基幹業務システムと連携する取り組みに注力している。
専門家によると、製造企業がPLM戦略の成果を活用して効率改善と技術革新を促進しようと思うのであれば、PLMとERPの連携、ならびにPLMとほかの基幹業務システムとの連携が不可欠だという。PLMは、製品ライフサイクルのすべての段階を通じて製品データとプロセスの可視性を高める手段であると考えられているが、そのために必要な情報の多くは伝統的な製品開発部門や技術部門の外部にあるシステムに置かれている。しかしPLMと基幹業務システムとの間のデータ連携では、製品データやBOM(部品表)情報をシステム間で受け渡しするだけでは不十分であり、各業務部門のビジネスプロセスとワークフローも考慮に入れた製品ライフサイクル全体としての取り組みが必要だ。
「連携とは、ライフサイクル全体をつなぐループを閉じることだ」と話すのは、米AMR ResearchでPLMの調査を担当するマイク・バーケット副社長だ。「製品開発時における連携の重要性は、コスト、サプライヤー、顧客、故障などに関する情報に対する可視性が得られることにある。こういった情報を開発部門に提供することによって製品設計に反映させ、製品の改善につなげることができるのだ」
PLMとERPの連携という分野はまだ初期段階にあり、幾つかの重要な課題が残されている。例えば、MDM(マスターデータ管理)やデータガバナンスの問題がある。多数のシステムに保存されている製品関連のデータをどこに置くべきか(PLMリポジトリあるいはほかのシステム内)という問題もあり、そのデータをほかのアプリケーションからすぐに利用できるようにするためのアーキテクチャも必要だ。また、データの変換という厄介な問題もある。
「既存製品に関するデータの中には、20年も前に作成され、古いメインフレームに保存されているものも多い。PLMシステムに組み込む前にデータをクレンジングする必要があり、属性などの追加情報を定義するのには時間がかかる」とバーケット氏は話す。
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