ALM分野では経営統合による市場再編の動きが進んでいる。今回は、2009年にBorlandを経営統合して市場に参入したMicro Focusを取り上げ、同社のALMソリューションを紹介する。
英国のMicro Focus International plc(以下、Micro Focus)は2009年7月、開発ツールベンダーである米国のBorland Software(以下、ボーランド)を買収した。その後、日本支社であるマイクロフォーカスは2010年2月、日本国内におけるボーランド製品・サービスおよびサポートなどの事業を3月1日から全面的に統合すると発表した。
Micro Focusは1976年に設立され、COBOLコンパイラおよび各種開発支援ツールなどの事業を中心に展開してきた。同社は2007年から積極的に経営統合を進め、その製品ポートフォリオを拡大させた。先述のボーランド以外にも、2008年12月に静的解析ツールベンダーであるRelativity Technologiesを、2009年6月にCompuwareのTesting/ASQ部門を統合することで製品群を拡充し、ALM(Application Lifecycle Management)市場に参入している。
同社が提供するALMソリューションとは? ALMベンダーを取材する連載の最終回となる今回は、マイクロフォーカスを取り上げる。
マイクロフォーカスのジェネラルマネジャー代理 技術部シニアマネジャーの小林純一氏は、企業アプリケーションの現状について「ビジネス側からITへの要求が高度化し、それに応えることが難しくなっている」と語る。その理由として「アプリケーション自体の構造が複雑化し、全体像が見えづらくなっている。また、老朽化が進み、技術の進歩に追い付けない状況が起こっている」と説明する。
マイクロフォーカスでは「企業アプリケーションの管理とモダナイゼーションを実現する」という製品コンセプトを打ち出している。モダイナイゼーションとは「新しい技術を取り込みながら、企業がこれまで投資してきた既存のIT資産を“捨てずに”活用すること」を指す。同社では、COBOLを中心とした既存のメインフレーム環境からオープン系システムへの移行を支援してきた強みがある。例えば、企業の既存システムのサーバ部分で既存ビジネスロジックを継続させながら、そのクライアント部分をJavaや.NETなどで再構築するのを支援してきた。
マイクロフォーカスは今後、モダイナイゼーションに加えて「静的解析をベースとしたソフトウェア品質管理、開発プロセス自体の見える化および整合性をもたらすALMなどを提供することで企業を支援していく」(小林氏)と説明する。
同社のALMソリューションは、アプリケーションの設計から開発/テスト、運用に至るまでのライフサイクル全般におけるさまざまな機能を持つ製品群で構成され、アプリケーションの包括的な品質管理と全体像の可視化を支援する。ここからは、マイクロフォーカスが提供するALMソリューションの概要を紹介する。
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