距離の離れた社員・外部企業をUCでつなぐ“業務改善型”ユニファイドコミュニケーションを導入する【第3回】

業務上の問題をユニファイドコミュニケーション(UC)で改善していく本連載。フロアが離れた社員同士、あるいは外部の協力会社との情報伝達をUCでどこまで円滑にできるか解説しよう。

2010年04月15日 08時00分 公開
[矢萩陽一,ネットマークス]

 前回の「連絡が取りづらい社員をUCでつかまえる」では、電話取り次ぎの問題をユニファイドコミュニケーション(UC)で解決する方法を紹介した。そこで今回は、フロアが離れた社員同士の連絡や外部パートナー企業との情報共有など、自分の働く場所を越える場合のコミュニケーション課題を挙げ、UCでの改善策を解説していく。

離れた社員間のコミュニケーション基盤を作る

業務課題1:

フロアや事業所が離れた社員とのコミュニケーションを何とかしたい


 フロアが離れた社員間のコミュニケーションの問題は、どの企業においても発生し得る。同じフロア内なら、少し席を離れれば連絡を取りたい相手が席にいるのか、あるいは会議中や外出中なのか目視で簡単に確認できるが、フロアが違えばそうもいかない。

 それならグループウェアを使って、相手の予定を確認してから電話連絡を取るという方法もある。しかし、スケジュール情報が入力されていなければ、相手の状況を知る手段はない。電話をかけても確実に相手と連絡が取れる保証はなく、結果としてほかの社員に不在時の電話取り次ぎが発生することにもなる。

 なお、社員同士が以下のような状況にある場合もこの課題に当てはまる。

  • 同じ部署に所属しているが、フロア(事業所)が違う
  • 同じ敷地内であるが、ビルが違う
  • 同じ部署の社員がビルのどこで仕事をしているのか分からない

 業務課題1をUCで解決する方策は幾つか考えられる。以降、それぞれの長所・短所を交えながら挙げていく。

解決策(1)-1:ボイスメール+電話転送による電話取り次ぎ削減

 業務課題1の解決策として最も着手しやすいのは、電話取り次ぎの改善である。電話取り次ぎを削減する、もしくは廃止する形でボイスメールを導入するケースだ。このような取り組みは進んでいるが、転送先となる携帯電話をユーザーが持たなかったり、相手がボイスメールを確認するまでは連絡が伝えられないなど、運用上の課題も残る。

解決策(1)-2:PHSまたは携帯電話を内線電話として利用

 業務連絡手段として電話を中心に考えた場合、有効なのは固定内線電話を携帯電話(PHSまたは携帯電話)にすることである。ユーザーに提供するデバイスを変更するという、簡易な課題解決策である。しかしこの方法では、電話で連絡が取れない場合の対応策やシステム投資(携帯電話料金やインフラ)などを考慮しなければならない。

解決策(1)-3:プレゼンス+統合コミュニケーションツールの活用

画像 Cisco Personal Communicator《クリックで拡大》

 解決策(1)-1、(1)-2で挙げたコミュニケーション改善策は、従来多くの企業で用いられてきたが、いずれも電話が中心となっているために必ずしも課題を解決できていたわけではない。例えば相手が電話中、あるいは連絡が取れない状況にある場合は、別の連絡手段に切り替えなければならない。

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