ERP導入フェーズで欠かせないユーザー部門参加の極意ERP成功のヒント【第4回】

ERPパッケージの選定が終わった後に開始されるERPの導入フェーズ。そこで重要になるのがユーザー部門のプロジェクト参加だ。当事者意識を持ってもらい、積極的にかかわってもらうにはどうすればいいのか。

2011年01月17日 08時00分 公開
[五島伸二,アドバ・コンサルティング]

 前回まではIT部門から見たERPパッケージの選定について説明した。今回から3回にわたって、ERP導入フェーズにおけるポイントを同じくIT部門の視点で説明する。

導入フェーズの概要

 計画フェーズにおいてERPパッケージと導入ベンダーが決まり、ERPの導入フェーズに入る。下表のBの部分がERPの導入フェーズの作業内容である。導入フェーズは、通常は半年から1年ぐらいのプロジェクトとなるが、グループ会社に順次展開して導入するようなケースだと、2年から3年に及ぶこともある。導入フェーズのプロジェクトメンバーの構成は、計画フェーズに比べるとユーザー部門からの参画メンバーの比率が多くなるのが通常である。

作業フェーズ 作業内容
A.計画フェーズ システム化計画 ・ERP導入目的など、ERP導入の基本的な事項を計画
要件定義 ・ERPに求められるシステム要件を定義
ERP選定 ・システム要件を基礎として、実際にERPパッケージと導入ベンダーを選定
B.導入フェーズ 導入計画 ・導入スケジュール、成果物、プロジェクト体制など導入フェーズの全体計画を策定
要件定義 ・業務要件を詳細に定義し、システムの要件に落とし込む
・プロトタイプによる確認
開発 ・要件定義に沿ったERPシステムの設定
・アドオン開発
テスト ・システムテスト
・運用テスト
ユーザー教育 ・マニュアル作成・エンドユーザー教育
移行 ・既存システムからマスターデータや残高データなどを本番環境に移行する
本番稼働 ・新ERPによる業務運用を開始する

 以下、筆者の経験の中から、導入フェーズをスムーズに進めるためにIT部門が留意すべきポイントをお伝えする。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...