企業で広く使われる「SAP ERP」。SAPで業務効率化を達成した企業が多くある中、効果が得られない企業もある。失敗の原因は何なのか? 導入経験豊富なアクセンチュアのコンサルタントが説明する。
世界で使われる代表的なERPパッケージである「SAP」。シェア、導入実績数共にナンバー1である。特に中堅以上の規模の企業においては圧倒的なシェア、実績を誇っている。その一方で、SAP導入については必ずしもポジティブな意見ばかりではないことも事実である。
SAP(ECC=ERP Central Component)という製品自体は素晴らしい製品である。ただ、SAPの特徴を把握せず、やみくもに導入しようとすると、ユーザー、IT部門、経営陣の全てにネガティブな影響を与えることにもなりかねない。SAP導入に難航していたり、導入後に効果が出ていないという話も聞く。導入中、導入後になってアクセンチュアにERPの相談に来る顧客もいる。きちんと導入すれば素晴らしい効果を挙げられるにもかかわらず、導入前の検討が足りなかったり、導入方法に問題があることによって、期待されるSAPの効果が得られないのは、誠に残念なことである。
以下は実際に見られた問題の例だ。
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