統合ストレージ製品を提供するEMCとNetApp。両社以外にも提供ベンダーは多く存在するが、製品検証という点でこの2社がよく引き合いに出されるのはなぜだろうか?
米EMCは2011年、ストレージプラットフォーム「VNX」と「VNXe」を発表し、統合ストレージシステムの分野で米NetAppとの競争を強化する姿勢を鮮明にした。
統合ストレージ製品を提供しているベンダーはNetAppとEMCだけではないが(大手ベンダーの多くが複数のプロトコルをサポートするシステムを提供している)、この分野で最もよく話題に上るのがNetAppの「FAS」シリーズとEMCのVNXだ。両製品は最も広範に検証を受けており、統合ストレージプラットフォームに関して何が真実であり、何がそうでないかという議論で最もよく引き合いに出されるモデルでもある(関連記事:エンタープライズディスクストレージ製品紹介)。
統合ストレージシステムは、ファイバーチャネル(FC)やイーサネットなどのネットワーク上でブロックストレージとファイルストレージの両方に1台のボックスで対応できる製品だ。NetAppが2002年に初めて提供したマルチプロトコル型ストレージは、自社のNAS(Network Attached Storage)ファイラープラットフォームにブロック処理機能であるSAN(Storage Area Network)機能を追加した製品だ。NetApp FASシステムは、エントリーレベルからエンタープライズレベルに至る全ての製品で、CIFSとNFSベースのファイルストレージに加え、FCおよびiSCSIを用いたブロックストレージをサポートする。
EMCは、自社のミッドレンジ製品であるClariion SANプラットフォームとCelerra NASプラットフォームをVNXに統合した。同社は、これとは別にエンタープライズ向けSANシステムのSymmetrixシリーズを提供していたが、VNXの登場により、ストレージ専業ベンダー最大手2社が、データストレージ市場の大部分をカバーするシステムで真正面から対決することになった(関連記事:中堅・中小企業向けNAS市場が活況化した理由)。
では、NetAppとEMCの統合ストレージ製品を詳しく比較してみよう。
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