仮想化に対応した統合運用管理ツールの代表格ともいえる日立製作所の「JP1」。最新版のV9.5には、仮想化の導入前からクラウド環境の運用に至るまで、幅広い運用管理業務を支援する機能が備わっている。
ハードウェア性能の進化と仮想化技術の信頼性向上により、今や仮想化によるサーバ統合は一般的なソリューションになりつつある。しかし、運用管理の面では依然として課題が残る。サーバにハイパーバイザーを導入し仮想マシンを作成しただけでは、システムを最適に運用することは難しい。物理サーバでシステム構築をしてきた経験を基に設計しても、複数の仮想マシンがハードウェアリソースを共有するサーバ仮想化環境では、想定外のトラブルに遭遇することもある。
そこでサーバ仮想化を導入する際に力を借りたいのが、仮想環境に対応した運用管理ツールである。仮想化によるサーバ統合に最適なサイジングを実施し、システムの導入後は稼働状況を監視。さらに、クラウドサービスなどを利用したハイブリッドなシステム環境において、統合的に運用管理が行えるというツールを利用すれば、構築時も拡張時も安心できるだろう。
だが、TechTargetジャパンが2011年5月に実施した仮想化の運用管理ツールの利用に関する調査では、統合運用管理ツールを利用している割合は少なく、標準ツールのみで運用管理している企業が多かった(参考:読者に聞いた、仮想化の統合運用管理ツールの魅力と懸念)。また、統合運用管理ツールの機能を知っているかどうかを聞いた設問では、全体の半数が統合運用管理ツールの機能を知らずに、標準ツールのみで運用していることが分かった。本連載では、仮想環境における運用管理の課題を解決すべく、統合運用管理ツールを利用する魅力にフォーカスする。こうしたツールを利用するメリットはどこにあるのだろうか。
第1回では、統合運用管理ツールの代表的な製品である日立製作所の「JP1」を紹介する。ハイパーバイザーの標準ツールにはないJP1のメリットとして、仮想化されていないハードウェア環境も含めて物理/仮想環境を一元管理できる点がある。物理/仮想混在環境において業務システムと同期を取りながら、障害監視や効率的なバックアップ運用を可能にする。また、JP1の最新版「JP1 V9.5」には、仮想化の導入前からクラウド運用に至るまでの幅広い運用管理業務を支援する機能が備わっているため、プライベートクラウドの運用を視野に入れた大規模なシステムを構築する際に有効なソリューションといえる。以下、JP1が提供している各ツールについて紹介する。
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