ソーシャルメディアトラフィックがWANを変える【前編】
従来型WANに引導を渡すソーシャルメディアトラフィック
ソーシャルメディアの利用は画像や動画の頻繁なアップロードを促し、従来型WANではこのトラフィックパターンに対応できなくなる可能性があるという。ソーシャル時代に対応できるWANとは?
最近では多くの企業が、社内のコミュニティーとコラボレーションの改善のためにソーシャルメディアプラットフォームを導入している。このメディア志向のトレンドは、WAN(Wide Area Network)トラフィックの増大と予測不可能性という状況をもたらしており、ネットワーク管理者はソーシャルメディアポリシーを強化し、既存のWANアーキテクチャを見直す必要に迫られている。
米ファイアウォールベンダーのPalo Alto Networksによると、Facebook用アプリケーションやソーシャルプラグイン、各種アップデートなどがWAN帯域を大量に消費しているという。同社は1月、「Application Usage and Risk Report」の第8号をリリースした。同報告書は全世界の1636社の企業におけるネットワークトラフィックの評価を集約したもので、2010年10月以降のソーシャルメディアのトラフィックと利用パターンを検証している。Palo Alto Networksによると、Facebookのトラフィックは当初、帯域幅全体の5%を消費していたが、14カ月間で25%に増加したという。また、社内ネットワーク上でのTwitterの利用は1年間で700%拡大した。
ソーシャルメディアトラフィックは減らない
「ソーシャルメディアは今や、重要なビジネスツールになりつつある。企業の分散化に伴い、支社・支店で働く従業員や在宅勤務者が増えているからだ」と指摘するのは、米Forrester Researchの上席アナリスト、アンドレ・キンドネス氏だ。これらの従業員は地理的に同僚から離れており、ソーシャルメディアの利用は従業員同士の効果的なコミュニケーションの促進につながるという。
「仕事に役立つツールを従業員に与えることが重要だ。ITインフラ運用チームはソーシャルネットワーキングの利用状況を心配するよりも、WANに新たな負荷を加える他のプラットフォーム(Skype、ピアツーピア型動画配信技術など)上でのソーシャルメディアの監視に注意を向けるべきだ」とキンドネス氏は語る。
ソーシャルメディアトラフィックに合わせてWANを強化する
米ZK Researchの創業者で同社のアナリストを務めるズース・ケラバラ氏によると、ソーシャルメディアを利用したコラボレーションが盛んになるのに伴い、ファイル共有、メディアのダウンロード、ビデオの利用などが増え、その結果、従来のハブ&スポーク型デザインをベースとしたWANに大きな負荷が掛かる可能性があるという。WAN上でのソーシャルメディアの利用はピアツーピア型トラフィックパターンの増加を引き起こすため、トラフィックの流れがランダムで不規則なものになる。従来のハブ&スポーク型WANでは、ソーシャルメディアがもたらすこの種のトラフィックパターンに対応できないという。
「ネットワーク管理者が社内ネットワーク上でソーシャルメディアのトラフィックをサポートするには、本格的なメッシュ型ネットワークの導入を検討しなければならない」とケラバラ氏は語る。「現在、ネットワークの設計をしている人は、何らかのスプリットトンネリング方式を利用することにより、インターネットへのダイレクトなアクセスを支店・支社に提供することを考えるべきだろう」と同氏は述べるとともに、ソーシャルメディアアプリケーションの多くは、ダイレクトなインターネットアクセスを前提としていると指摘する。「多数のソーシャルメディアが動作するネットワークのアーキテクチャ全体を変更する必要がある」
ネットワーク管理者はネットワークのアーキテクチャを変更するだけでなく、ソーシャルメディアの利用がWANに送出するトラフィック量にも対処しなければならない(関連記事:帯域幅管理に難題を突きつけるYouTubeやFacebook)。
ソーシャルメディアトラフィックはメディア志向が強いため、動画が頻繁に利用され、画像が絶えずアップロードされる。IT部門がデータを作成し、それをWAN上で配布するといった従来型モデルとは異なり、どんなユーザーでもコンテンツを作成できるのだとケラバラ氏は言う。「動画、ファイル、画像などの情報をユーザーが作成できるため、あらゆる場所から大量のトラフィックが発生し、それがあらゆる場所に送信される」と同氏。
ソーシャルメディアの利用が促した変化はトラフィック量だけではない。その内容にも注目すべき変化が訪れている。後編「TCPポート80の利用が低下!? 見直し迫られるソーシャル時代のセキュリティ」では、トラフィックの変化に伴うセキュリティリスクについて解説する。
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ソーシャルメディアトラフィックがWANを変える
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