2012年2、3月に実施した会員調査によって、SMB企業のストレージ利用実態が分かった。データ増加に対する拡張性やバックアップ処理時間などの課題が浮き彫りになった。
TechTargetジャパンは2012年2月22日から3月7日まで、従業員数1000人以下の会員を対象に「ストレージ環境に関するアンケート調査」を実施した。調査結果から中堅・中小企業(SMB)のストレージの利用状況や満足度、課題、製品選定のポイントなどが明らかになった。本稿では、その一部を紹介する(全ての結果を記載したリポートは、文末のリンクから会員限定でダウンロード可能)。
目的:SMB企業のストレージ環境の現状を調査するため
方法:Webによるアンケート
調査対象:従業員数1000人以下の企業・組織に属するTechTargetジャパン会員
調査期間:2012年2月22日(火)〜3月7日(火)
総回答数:160件
※回答の比率(%)は小数点第1位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。
導入しているストレージの種類を聞いたところ、「ファイルサーバ/NAS(Network attached Storage)などの専用ストレージ」(72.5%)が最も多かった。以下、「USB、SATA、IEEE 1394接続形式の外付けHDD」(45.6%)、「LAN接続型HDD」(42.5%)と続く。
また、現在導入している機能やサービスについては「共有ファイルシステム」(69.7%)が最も多く、「RAID対応などのストレージの二重化/冗長化」(42.8%)、「データの圧縮」(19.7%)と続く。
ストレージ選定で重視するポイントは「導入コストの安さ」が67.8%となり、「導入のしやすさ」(49.3%)、「システムの信頼性」(48.7%)と続く。ストレージ環境に対する不満点(後述)の上位に挙げられていた「データ量の増加への対応」(43.4%)や「データのI/O性能」(38.2%)、「バックアップ/リカバリなどの処理性能」(37.5%)も回答者の3分の1以上が重視していることが分かった。
また、ストレージ環境を管理する上で重要な機能については「稼働状況や障害監視」「リソース管理」(51.3%)が多く挙がった。
現在のストレージ環境の満足度については「ある程度満足している」「とても満足している」を合わせると、回答者の43.8%が導入製品に満足していた。「どちらかというと不満がある」「不満がある」を合わせると16.9%になった。
不満に感じている点を聞いたところ、回答者の60%が「データ量の増加への対応」を挙げている。また、「データのI/Oが遅い」(48.0%)、「バックアップ/リストアに時間がかかる」(36.0%)など、処理性能に不満を持つ声も多かった。
自社のデータ量の傾向を聞いたところ、「とても増えている」「多少は増えている」を合わせると、84.1%が増加傾向にあると回答した(関連記事:ゼタバイト時代の企業ストレージ環境とは)。
また、増えているデータの具体的な種類については、回答者の半数が「非構造化データ(文書ファイルや画像、音声などファイル形式で管理するデータ)」を挙げている。
詳細なアンケート結果は、以下からダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。
本稿では紹介しきれなかったさまざまなアンケート結果とともにアンケート回答者の詳細な属性も紹介されている。ぜひ参照されたい。
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