84.1%がデータの増加を実感 読者調査が示すSMBのストレージ利用状況SMB企業のストレージ環境に関する調査リポート

2012年2、3月に実施した会員調査によって、SMB企業のストレージ利用実態が分かった。データ増加に対する拡張性やバックアップ処理時間などの課題が浮き彫りになった。

2012年03月19日 09時00分 公開
[翁長 潤,TechTargetジャパン]

 TechTargetジャパンは2012年2月22日から3月7日まで、従業員数1000人以下の会員を対象に「ストレージ環境に関するアンケート調査」を実施した。調査結果から中堅・中小企業(SMB)のストレージの利用状況や満足度、課題、製品選定のポイントなどが明らかになった。本稿では、その一部を紹介する(全ての結果を記載したリポートは、文末のリンクから会員限定でダウンロード可能)。

調査概要

目的:SMB企業のストレージ環境の現状を調査するため

方法:Webによるアンケート

調査対象:従業員数1000人以下の企業・組織に属するTechTargetジャパン会員

調査期間:2012年2月22日(火)~3月7日(火)

総回答数:160件

 ※回答の比率(%)は小数点第1位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。


「ファイルサーバ/NAS」利用企業は72.5%

 導入しているストレージの種類を聞いたところ、「ファイルサーバ/NAS(Network attached Storage)などの専用ストレージ」(72.5%)が最も多かった。以下、「USB、SATA、IEEE 1394接続形式の外付けHDD」(45.6%)、「LAN接続型HDD」(42.5%)と続く。

photo 導入しているストレージの種類

 また、現在導入している機能やサービスについては「共有ファイルシステム」(69.7%)が最も多く、「RAID対応などのストレージの二重化/冗長化」(42.8%)、「データの圧縮」(19.7%)と続く。

photo 導入している機能やサービス《クリックで拡大》

選定では「導入コストの安さ」、管理面では「稼働状況や障害監視」「リソース管理」を重視

 ストレージ選定で重視するポイントは「導入コストの安さ」が67.8%となり、「導入のしやすさ」(49.3%)、「システムの信頼性」(48.7%)と続く。ストレージ環境に対する不満点(後述)の上位に挙げられていた「データ量の増加への対応」(43.4%)や「データのI/O性能」(38.2%)、「バックアップ/リカバリなどの処理性能」(37.5%)も回答者の3分の1以上が重視していることが分かった。

photo ストレージ選定で重視するポイント《クリックで拡大》

 また、ストレージ環境を管理する上で重要な機能については「稼働状況や障害監視」「リソース管理」(51.3%)が多く挙がった。

photo ストレージ環境を管理する上で重要な機能

43.8%が導入製品に満足、「データ量の増加への対応」に不満も

 現在のストレージ環境の満足度については「ある程度満足している」「とても満足している」を合わせると、回答者の43.8%が導入製品に満足していた。「どちらかというと不満がある」「不満がある」を合わせると16.9%になった。

photo 現在のストレージ環境の満足度

 不満に感じている点を聞いたところ、回答者の60%が「データ量の増加への対応」を挙げている。また、「データのI/Oが遅い」(48.0%)、「バックアップ/リストアに時間がかかる」(36.0%)など、処理性能に不満を持つ声も多かった。

photo 不満に感じている点《クリックで拡大》

84.1%がデータ増加を認識

 自社のデータ量の傾向を聞いたところ、「とても増えている」「多少は増えている」を合わせると、84.1%が増加傾向にあると回答した(関連記事:ゼタバイト時代の企業ストレージ環境とは)。

photo 保有データ量の傾向

 また、増えているデータの具体的な種類については、回答者の半数が「非構造化データ(文書ファイルや画像、音声などファイル形式で管理するデータ)」を挙げている。

photo 増えているデータの種類

詳細なアンケート結果は、以下からダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。

 本稿では紹介しきれなかったさまざまなアンケート結果とともにアンケート回答者の詳細な属性も紹介されている。ぜひ参照されたい。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

「SATA接続HDD」が変わらず愛される理由とは

HDDの容量が30TB超になると同時に、ストレージ技術はさまざまな進化を続けている。そうした中でもインタフェースに「SATA」(Serial ATA)を採用したHDDが変わらずに使われ続けている。なぜなのか。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

IOPSが5倍に向上&コストも80%削減、エクシングが選んだ大容量ストレージとは

カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。

製品資料 プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

データソート性能向上でここまで変わる、メインフレームのシステム効率アップ術

メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

従来ストレージの約8倍の容量を確保、エルテックスが採用したストレージとは

ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。

市場調査・トレンド プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

クラウド統合を見据えたメインフレームのモダナイズ、3つの手法はどれが最適?

長年にわたり強力かつ安全な基盤であり続けてきたメインフレームシステム。しかし今では、クラウド戦略におけるボトルネックとなりつつある。ボトルネックの解消に向け、メインフレームを段階的にモダナイズするアプローチを解説する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。