登場から10年がたつ「iSCSI SAN」。当初の懸念を払拭し、より大規模な企業でも採用されるようになった理由は一体どこにあるのだろうか?
iSCSI SAN(Storage Area Network)が登場してから10年になる。当初、ファイバーチャネル(FC)に対する有力な対抗馬になれるのか懸念されたが、その後、中堅・中小企業(SMB)市場で大きな信頼を勝ち取るに至った。10ギガビットイーサネット(10GbE)の普及とイーサネットストレージの機能強化により、今後は大企業市場においてもiSCSIに明るい未来がもたらされるだろう。
当初、iSCSIに向けられた懸念は「果たしてイーサネットが正当なプロトコルとなり得るか」「大手FCストレージベンダーが受け入れるだろうか」というものだった。何社かの新興ベンダーが撤退を余儀なくされたものの、EqualLogicとLeftHand Networksは大規模ユーザーを注目させるのに十分な顧客ベースの構築に成功した。Dellが2008年にEqualLogicを14億ドルで買収し、マーケットリーダーに躍り出ると、Hewlett-Packard(HP)も同年の後半、LeftHandを3億6000万ドルで買収してiSCSI市場に参入した。その他のメジャーなストレージベンダーもマルチプロトコル対応やiSCSI専用ストレージなどで、こうした動きに追随した。
また10GbEの登場により、iSCSIのパフォーマンスはFCに比肩するものとなった。ただし、8Gbpsから16Gbpsへの移行には、より高価なスイッチやアダプターの導入が必要だ。Internet Engineering Task Force(IETF)によって2011年に策定された「Data Center Bridging」(DCB)標準もiSCSIをより強力なストレージにした。この技術はパケット損失を軽減する。イーサネットは損失を少なくすることでFCにより近づいた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...